『げんしけん』の斑目くんと松下さんとソニーの空しい戦い

むかし、大学のオタクサークルを舞台にした『げんしけん』という漫画がありました。最近その続編も描かれているのですが、前作では脇役であった斑目くんというおにいさんが、今作では主役になっているみたいです。

この斑目くん、サークルが楽しすぎたのか、大学を卒業して就職しても大学の近所に住んで、部室に毎日顔を出すという、「あ~居るかも・・・」という設定でした。私の周囲には卒業してもサークルに入り浸る人って居なかった気がしますけどもね。

しかしながら、卒業して1年経ち、2年経ちするとサークルの顔ぶれや雰囲気も否応無しに変わっていって、何だか居場所が無くなってきて、ふと気づくと、あれ自分なんでここに居るんだっけみたいな。最近は斑目くんもそういうことになっているらしいです。

こないだ外国人の教え子たちが、自分たちは日本で5年や6年過ごしているが、これは人生の4分の1やそれ以上なので、既に母国の友人知人と自分たちの間には文化的な違いが明らかに生まれているという話をしていました。センセーみたいなアラフォーにとっての4年は人生の10分の1だけど、自分たちにとってはもっと大きいと。

これはなるほどな指摘です。

ごく稀に、自分は高校時代や大学時代があまりにも楽しすぎて、あれが人生のピークだったから、この先の人生は全て「祭りの後」なんだと思うとなんだか落ち込む・・・・みたいなことを言っている若者を見かけます。彼・彼女らにとっては人生の大きな割合をその時期が占めているので、その数年間の価値があまりにも突出して感じられるんでしょう。

ですが、斑目くんの空しい戦いが示唆するように、何をどう足掻いてもその時代その人間関係を永久保存しておくことは無理でございます。ソニーや松下がいつまでも「テレビ」で大儲けした時代を忘れられずに、会社傾いてもまだテレビ事業を切れないあの感じをよく見ましょうよ。

今をどう楽しくするかという発想で勝負する方が健康的だし、実りも大きい。と思います。私もカバン作り楽しくてたまらんです。この勢いで育児中の買い物用、内部2分割のカッコ良い保冷エコバッグ作ろうかな。