奴らの逆襲

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 2年ゼミでは来週火曜日から1週間、立教大学池袋キャンパス内で写真展を開催します。

 私からの指示は一つだけ。

全部自分たちで考えて運営して、とにかく面白いもの、世の中を攪乱出来るものを創れ。

 それで出てきた企画がとんでもなかった。何と大学のトイレを会場にした写真展。もちろん男性用と女性用の両方に展示をする。

 参りましたね(笑) 思い切りやり返されたなあと。

 このゼミでは年度末提出の個人作品として、現代アートとしての作品づくりを要求しています。その為にちょっと難しい現代アートの理論も勉強させました。美学の本も読ませました。そこで彼らは、現代アートが高度に思索的で概念的、理論的なものとなっていることを学びました。

 で、この企画。

 腹立たしいことに、連中が企画運営する写真展の全貌を、指導教員である私がチェックすることが出来ません。もちろん設営時に一般利用者をロックアウトした女子トイレの中を確認することは可能だし、私に内緒でヤバい展示をやっていないかチェックしないといけないわけですが、いざ写真展が始まってしまえば、完全にブラックボックスです。しかも個室の中にインスタレーションの形で展示を入れて、個室内にそれぞれ音楽なども流すとか言ってますから。

 インスタレーションとしての写真展を、観覧者がどう経験しているのかは、実は誰にもわからない。私に限らず、その全体像は誰にも把握出来ない。

 でも、私は彼らに講義の一環として写真展をやれと指示した以上、その仕上がり具合をチェックして採点に反映させなければいけない。

 一本取られましたねえ。「大学教育の採点を伴う講義の中で、アート作品を創らせてそれを評価することの不可能性」を、批評的に作品化している。鮮やかです。大したもんだ。