王様たちのはなし

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El Misterio Velazquez

なかなか面白い中編を読みました。 エリアセル・カンシーノ『ベラスケスの十字の謎』宇野和美訳、徳間書店、2006年 原著は1998年に発表されています。いわゆるジュブナイル小説ですね。主人公はフェリペ4世の宮廷に使えた道化という設定です。「ア...
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王女マリア・テレサ

名古屋ボストン美術館で開催されている「ヨーロッパ肖像画とまなざし」展に、我らがフェリペ4世陛下の娘君、マリア・テレサ殿下の肖像画が来ているようです。制作はベラスケス・・・・・の工房。つまりベラスケス先生の弟子ですな。 このマリア・テレサちゃ...
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その頃日本では

今日は4巻5章を上げて送稿しました。いやあ、1巻を5倍パワーアップしたみたいな巻で面白いっす。 さて、この4巻で隊長が暗躍するセビージャの町ですけれども、年に一度、ヌエバ・エスパーニャつまり中南米地域から巨大ガレオン船団が到着して荷下ろしす...
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もう一つの引っかけ

「ヘラクレスの柱」の話というかこぼれ話がもう一つあります。 実は、「ヘラクレスの並木道」を探り当てる前に、ルート分岐で間違えてバッドエンディングに向かいかけたんですよ。非常に巧妙なひっかけでした。それがこれ。 これ、スペイン王国の紋章です。...
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ハゲには嬉しい特典です

先代が武闘派だった話はしましたが、では三代目ガスパール・デ・グスマンは、「アラトリステ」1巻や2巻の時代には何者だったのでしょうか? 隊長がマドリの夜の闇の中に忽然と姿を現したのが1623年3月17日。この日、例のチャールズくんがマドリにや...
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オリバーレス伯爵(先代)の武勇伝

2巻では美味しいところを持っていったオリバーレス伯爵。3巻ではお休みですが、彼は結構面白いエピソードを抱えた人物なんですね。 もともとオリバーレス伯爵家というのはですね、当時のスペインでも最も強大な貴族の家であったメディナ・シドニア公爵家か...
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かわいそうな伯爵

1巻から既に存在感を発揮しておられますオリバーレス伯爵。3巻あたりからは伯公爵に固定なのかな? さて、このお方、当時も現在もスペインでは非常に評判が悪いのだそうです。現在の評価は「フェリペ4世治世下で独裁的な寵臣政治を行って、スペイン凋落の...
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ダメな王様とは言うけれど

1巻に引き続き2巻でも順調に無能王の真価を発揮しておられますところのフェリペ4世陛下。実際に彼の治世は政治的には見るべきところが無い44年間だったのですが、実は彼はスペインに巨大な遺産をも残していった人でした。や、負の遺産でしょなんで冷静な...