先日、例の超大作映画三部作「指輪物語」マニアが私の家に泊まりに来て、壁にかかったホクレア号のポスターを見ながら言いました。
「私、マオリとかハカって聞くと萌えるのよね。」
なんでやねん。指輪物語とヴィーゴ・モーテンセン(アラゴルン役をやっていたおっさん)萌えの腐女子がマオリって、なんやそれ。
「ほらあ、指輪物語でオークが出てくるじゃない。」
オーク。ローマ字ではOrcと書きますな。トールキンが「指輪物語」に登場させた、やられ役の怪物。ショッカーの下っ端みたいなもんです。で、それがなんやて?
「あれやってるエキストラの人たちがマオリだったのよ。体大きいから。」
なるほど。やっと話が見えましたよ。ご存じのようにポリネシアの海を行くダブルカヌーの船上というのは、波しぶきをかぶりっぱなしだし、風吹きっぱなしだしで、やたらと寒い。ほら、ポリネシアって麻とか綿みたいな便利な繊維がとれる植物も無かったし(だから木の皮をバシバシ叩いて広げた布を作った)ね。防寒着もなかなか作れなかったから、褌一丁みたいなかっこうで遠洋航海に出るしかなかった。そういう条件に適応する為に、あの筋骨隆々の体を獲得した。
それが意外なところで役にたったんですね。たしかにショッカーよりオークのが強そうだもんな。
「で、ハカとか聞くと萌えちゃうわけ。」
ちょっと待て。オークがハカなんかやってたか? と思ったら、やってたんですよこれが(笑)。
なんでも「二つの塔」の撮影中に、マオリのエキストラたちが暇つぶしでハカの練習をしていたんだそうです。それを見たピーター・ジャクソン監督、これは使えると思ったんだそうで、ウルク・ハイ(オークの親玉)の登場シーンでハカをやってもらったんだとか。
今度DVD確認してみよっと。
しかし、マオリのハカがオークの出陣の儀式なのか・・・・・まあ良いんですけど、ある種の評論家や人文系の学者たちが喜びそうなネタですわな。