テ・アウレレ・ニューズレター2006年1月26日

 アオテアロアの航海カヌー、テ・アウレレ号の活動を紹介するニューズレターが配信されましたので、ざっと内容を紹介します。

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・ テ・アウレレ号は来年以降、ラパ・ヌイ(イースター島)を目指す。この航海は既にラパ・ヌイ航海を成功させているポリネシア航海協会の全面的な協力を仰ぐが、ラパ・ヌイを見つけられるかどうかは我々の航海士の腕にかかっている。各員一層奮励努力せよ。

・ ラパ・ヌイ航海に向けての慣熟航海として、今年はケルマディック諸島まで往復する。

・ それ以外にも今年は徹底的にクルーをしごくので覚悟してください。最初の訓練航海は3/3-5。

・ 5月にはマウイ島のラハイナで国際カヌーフェスティヴァルInternational Festival of Canoesが開催される。ヘクター・バズビー(テ・アウレレ号のグループの総帥。マオリの大酋長の一人)もカヌーを一艘持参する。

・ ワイタンギ・デイ(建国記念日)には史上最大となる10艘のワカが集結する。ただしンガトキマタワオルア号Ngatokimatawhaorua(1940年に建造された巨大な戦闘カヌー)は船体の消耗が激しいので海には浮かべない。

・ 昨年くらいから、テ・アウレレ号についての問い合わせが激増している。問い合わせは世界中から来ている。今後もこの状態は続くだろうが、我々は異文化との出会いを心待ちにしている。これからも遠慮なく電話を下さい。

・ テ・アウレレ号は今月27日にオークランドを出航し、ワイタンギに向かう。また30日から来月5日にかけてはテ・アウレレ号においてユース・プログラムが実施される。これもワイタンギ・デイに向けた準備である。

以上です。
 
 まず、ラパ・ヌイ航海について。本体ウェブサイトでも触れていますが、ラパ・ヌイというのは異常に見つけづらい島なんですね。以下引用。

Rapa Nui(ラパ・ヌイ:地名)
 チリ領で、イースター島とも呼ばれる。ポリネシア・トライアングルの最東端。1999年、ホクレアは最後に残っ た目的地ラパ・ヌイを目指す「Closing the Triangle」プロジェクトを実行。夏の間にマンガレイバ島まで南下したホクレアは、そこで風待ちに入り、ついに西向きの向かい風が止んだ真冬の海へ と出航していった。しかしラパ・ヌイ付近まで来た所で強い雨風と曇天に苦しめられ、ナイノアは星を見る事が出来なくなった。最後の2日間は波のうねりだけ を頼りにラパ・ヌイを目指し、出航から17日目、ついにホクレアはラパ・ヌイを発見した。ラパ・ヌイに上陸したクルーが「我々はポリネシア・トライアング ルを閉じる為にやって来ました。」と言うと、一人の女性が微笑んでこう応えた。「いいえ、あなた方は、ポリネシア・トライアングルを我々に向けて開いてく れたのです。」

 この航海に同行したジャーナリストのサム・ロウは、ホクレアがラパ・ヌイを発見した時のことを次のように記している。

 ま もなくクルー全員がホクレアのデッキに集まり、左舷の遙か彼方に見えるラパ・ヌイの島影を見つめた。ナイノアはマストに上り、長い間その島影を見つめてい た。彼が降りてきた時、彼の頬は涙で濡れていた。朝食が終わると、彼は我々を集めた。我々は丸くなり、彼の言葉を待った。

 「これで私たちの航海は完了しました。個人的には、なにかぽっかりと自分の中に穴が空いたような気分ですが。しかし私たちはこの成果を誇るべきです。つ いに私たちは、ポリネシアン・トライアングルの最後の角までやって来たのです。ですが、この成果は私たちクルーだけのものではありません。この25年間、 この船に心、そして魂を捧げた人々全てのものです。」(Sam Low "Gift of the Wind: Aboard Hokulea on her miraculous journey to Rapa Nui", Hana Hou! : The Magazine of Hawaiian Airlines, Vol.3, No.1, 2000, p38)
http://www.geocities.jp/hokulea2006/atz.html

 さて、マオリのウェイファインダーはちゃんとラパ・ヌイを見つけられるかな? 見つけられるよね。誇り高き人々ですから、その誇りにかけても彼らはラパ・ヌイに到達するでしょう。間違いない。

 ケルマディック諸島というのは、以前に「航海者クペの伝説」で紹介しましたが、マオリの開祖となった伝説の航海者クペが、ハワイキから出航して最初に立ち寄った島と言われています。そういう意味では、マオリゆかりの島。だからまずここを目指すというのは、納得いきますね。

http://blogs.yahoo.co.jp/hokulea2006/12664219.html

 国際カヌーフェスティヴァルについてですが、この時期はホテルが全然取れなくなるので、もしも見に行こうとか考えている人は今すぐホテルを押さえた方が良いです。今年は5/13-27日。公式ウェブサイトはここ。

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