「テ・アウレレ」公式ウェブサイト復活

 長らくサーバーから消失していた(かサーバー落ちしたままだった)、アオテアロアの航海カヌー「テ・アウレレ(実際に取材に行かれた石川直樹さんは「テ・オウレレ」と呼んでおられました)」の公式ウェブサイトが復活しました。

http://www.teaurere.co.nz/homepage.html

 まだリンク切れとか手入れが足りないところがありますけれどもね。トップページには「テ・アウレレ」情報メーリングリストの加入フォームがあります。私も早速加入しました。日本からというのが意外だったのか、「こんなメールが来たけどお前はメーリングリストに入りたいのか?」という確認メールが来ましたよ。それで、「私は航海カヌーおたくです。ホクレア号も応援してます。」と、このウェブサイトなどをさりげなく自慢しつつ返信したら、

http://hokuplot.sytes.net/

「わかった。おれっちのカヌーについて知りたいことがあったら遠慮なくメールをくれ。メーリングリストにも入れておいた。」という返事が参りました。今月末にもニュースレター配信するからね、だって。まだ間に合うですよみなさん。

 他にも、以前紹介したカヌーセンターについての情報なんかが出ていますね。以前の記事では、「クペ・ワカ・センター」の位置がわからないと書いたのですが、

http://blogs.yahoo.co.jp/hokulea2006/archive/2005/09/29

このウェブサイトによれば、「クペ・ワカ・センター」が建設されるのは、北島のダウトレス・ベイ。「テ・アウレレ」の根拠地の一つです(もう一つはオークランドのマリタイム・ミュージアム)。将来的にはここを「テ・アウレレ」の完全な母港にするんでしょうね。

 記事によれば、「クペ・ワカ・センター」はカヌー建造や航海術の訓練、教育プログラムの他、観光機能も併せ持つ施設になるそうです。どんな観光が出来るんでしょうかね。アオテアロアから戻られた藤崎さんのレポート第一弾にもあるように、

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ニュー・ジーランド政府は観光にとても力を入れていて、マオリ社会も観光をエンパワーメント(日本語には無い概念ですが、経済力、政治力などの様々なパワーを、弱い立場の社会集団に保障していくことです)の柱と位置づけていますから、基本的にツーリズムとは無縁のハワイの航海カヌー群とはかなり異なったものが生まれるんじゃないかと期待大です。「テ・アウレレ」公式ウェブサイトには、こんなことが書かれています。

「クペ・ワカ・センターの重要な目的として、カヌーに関する様々な活動をサポートすることで、経済的、社会的、文化的な恩恵を地元に、あるいは地域や国全体にもたらすというものがあります。国際的な観光物件を北島の北端に創造することで雇用を創出し、加えて社会的に極めて厳しい状況に置かれたこの地域に足を運ぶ観光客数を増加させることは、特に重要です。もちろんこのセンターは、雇用を生み出すだけの場所ではありません。地元で製作された手工芸品、あるいはそれ以外の商品が観光客に販売され、彼らの思い出の品ともなるでしょう。」

 つまり、「クペ・ワカ・センター」は単なる航海カヌー文化復興運動ではなく、同時にビジネスでもある。ビジネスなんていうと眉をしかめる方もおられるかもしれませんが、ビジネスは雇用を創出し、社会を維持する、とても尊い営みなんです。本来は。ライブドアがそうだとはさすがに言いませんが。先に紹介した藤崎さんのグループも、より洗練された観光を通じてアイヌ社会をエンパワーメントしていこうと考えておられますね。偉大な試みですよ。

そして、「テ・アウレレ」のグループの視野は、単なるマオリ社会のエンパワーメントだけではなく、ニュー・ジーランドという国そのものを盛り立てて行こうという所まで広がっているようです。実際そう書いてありますよね。共存共栄。マオリが栄える為にはニュー・ジーランドという国そのものが栄えなければいけない。マオリとニュー・ジーランド国家はもはや一蓮托生である。そういうクールな現実判断が出来ていると思います。これは大事なことです。

民族対立は、しばしば相手社会の全否定、相手社会の殲滅の欲望を根底に孕んでしまいます。しかし、ビジネスマインドがそこにあれば、そんな殲滅戦はバカの妄想でしかないことがわかる。自らの繁栄と相手の繁栄を相乗的に実現していく方が十億倍賢い。そう思いませんか? 

ハワイとはひと味違うマオリの取り組み。格好いいぜ。