マジャンの航海…続報

 先日紹介した、オマーンからインド亜大陸へ実験航海を行う葦船「マジャン」の航海の続報っすよ。

 まず、船のサイズ。全長12m、全幅3.8m。といってもそれだけじゃあよくわからんですわなあ。比較用にこういう数字を。

「海王」(「大王のひつぎ」実験航海用準構造船・2004年建造)全長11.9m×全幅2.1m
「あさひ丸」(「カムナ」葦船プロジェクト実験航海用葦船・2004年建造)全長7.7m×全幅1.3m
「サンデック・エクスプローラ」(環太平洋実験航海用ダブル・アウトリガー・カヌー・2004年建造)全長17.3メートル×全幅1.4メートル*
ホクレア(ポリネシア航海協会・1975年建造)全長19m×全幅5.3m

 こうしてみると、小さい小さいと言われるホクレア号も、結構大きめなんですなあ。

 クルーを見てみましょうか。

船長:ピーター・メンソープPeter Manthorpe(オーストラリア)
船体設計・製造:トム・ヴォスマーTom Vosmer(オーストラリア)
航海士:ウィリアム・マクグラスWilliam McGrath(アメリカ)
製造補佐:ルカ・ベルフィオレッティLuca Belfioretti(イタリア)
製造補佐:アレッサンドロ・ギドーニAlessandro Ghidoni(イタリア)
乗組員:フセイン・アル・バロウシHussein Al Baloushi(オマーン王国海軍)
乗組員:ナセル・サイード・ラシッド・アル・アライミNasser Said Rashid Al Araimi(オマーン王国ヨット協会)
乗組員:アロク・トリパシAlok Tripathi(考古学者・インド)

 アタマの方が軒並み白人くさい名前なのはご愛敬。ホクレア号だって最初はハオレもいっぱい乗ってましたし、今でも沢山のハオレが協力していますから。それと、やはりオマーンの王室の所有する船が伴走船として付きそうらしいです。船の名前は「ファルク・アル・サラマーFulk Al Salamah」号。学者や医者がこれに乗って、不測の事態にも備えると。

 ちなみにトム・ヴォスマーは1980-81年にティム・セヴェリンが行った、いわゆる「シンドバッド・ヴォヤージュ」にも参加していた人物です。というか、あれもオマーン王室の援助で作った船で、やはりスールの港から出港したいったんですわ。他にも、同じくティム・セヴェリンの「イアソン・ヴォヤージュ」(古代ギリシアの船を再現して、アルゴ号の航海を検証したプロジェクト)にも参加していたり、これは詳細未確認ですが、インドネシアからマダガスカルへの実験航海もやったことがあるとか。

 インド洋の古代航海の鉄人とでも言いましょうか。

 まあ、そんなわけで。ホクレア号の3倍古い時代の船が本日、スール港を旅立ったのでした。良い旅を。

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* アウトリガー部を含まない。