古代の船を古代の素材と工法で作って、考古学的な実験を行う。
まさに日本における「ハヴァイロア」号の実践そのものである、「海王」号ですが、ついに正式な航程が発表されました。
http://www15.ocn.ne.jp/~daioh/kokai/2005keikaku1.htm
http://kyushu.yomiuri.co.jp/magazine/daiou/news/da_ne_05070201.htm
こうやって見ると、ホクレア号の2006年の航海で予想される航程にかなり近いルートですねえ。おお、鞆の浦や牛窓も寄っていくんですね。
出航は今月24日。およそ1ヶ月の航海後、来月26日には大阪に到着する予定。
ただ一つ気になるのが、これ。
「今秋開館予定の九州国立博物館で、古代船「海王」および実験航海資料展示」。
結局1回限りのイベントになってしまって、「海王」もお蔵入りになってしまうとなると、今後「自分も海王に乗ってみたい」という若者たちが現れても、時既に遅しなわけですよ。
まあ学者さんたちは実験が成功したらそれで満足なんでしょうけれども、せっかくこういう船を造ったんだから、航海を続けて、例えば日本一周でもしてみたら、それでさらに面白い展開があると思うんです。自分のところの海の歴史を学び直そうという動きが必ず出てくる。その動きは、ダイレクトに、来年のホクレア来航に結びつくはずなんです。
もったいないなあ。せめてホクレアが来た時には、もう一度、「海王」を海に浮かべて欲しいものです*。
==
以前に「海王」についてまとめた記事はこれ。
* 宇土市の教育委員会にメールを出してみた所、「大王のひつぎ」実験航海が終わった後で、ホクレア号歓迎を検討してみるとのことでした。「海王」は航海後に九州の新国立博物館(太宰府天満宮の裏。こないだ私が行った時は仕上げの段階でした)に展示されて、それから宇土に戻るとのこと。期待して待ってみましょう。