「人類20万年!奇跡の旅」感想など

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 番組を見ての感想です。

 まずは予想通り、フィリピンの漂海民がいっぱい映った!

 まあ現実の漂海民は米や燃料などを華人の商人を通して入手せざるを得ないとか、ダイナマイト漁で珊瑚礁を破壊する者も少なくないなど、必ずしも昔のままの生活を維持しているわけではないようですが、2時間で4つの土地を採り上げる構成ではそこまで深く扱えなくてもしょうがないでしょう。

 それよりもバジャウの水上家屋などが臨場感いっぱいで見られたことのほうが大きかったかな。本当に海の上が生活の舞台そのものであり、また家族で船に乗って移動し続けている(あるエリア内の回遊ですが)。後藤明さんの仮説通り、あのような地域からなら、島づたいに東へ東へと向かっていつしかポリネシアの民となっていても不思議はない。少なくとも縄文時代の日本列島の照葉樹林から、丸木船で黒潮反流に乗って縄文人の家族が決死の移民を敢行したと見るよりよほど自然です(縄文時代の日本列島は散々言われているように非常に豊かな土地だったらしいので、わざわざ南の海へ移住していくプッシュ要因・プル要因が無い)。

 あと、たけしやYOUが居たのは科博の地下でも、ちょうど航海カヌーの巨大模型がある真後ろ。
 時々、カヌーの艫が映ってましたでしょ。クラブクロウ・セイルも一瞬映ったかな。

 あれ、きっと本来のトークでは航海カヌーについての話もあったと思います。だって最後のまとめで馬場先生が航海カヌー模型のほうを指さして、「家族でカヌーに乗って1000kmも旅していく」なんて例え話してましたし、カメラも引いた構図でカヌー模型を入れてましたから。でも時間が無くて切ってしまったんだろうな。番組テーマの中にはちょっと入れづらいネタだし、しょうがないか。

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画像はヴェネチアのサン・マルコ広場の船着き場。5世紀、フン族の王アッティラの襲来から逃れる為にアドリア海の潟の上に杭を打ち込んで町を作ったのがヴェネチアのはじまりでした。同じ海上集落でも、所違えばここまで違う。でもゴンドラもカヌーといえばカヌーですね。水没に悩まされているのも太平洋諸島と似ているか。この船着き場、季節と潮の具合によっては完全に海面下に没します。