おかしいのは「あたしおかあさんだから」の歌詞ではなく、育児者支援があまりにも薄い現代日本社会であろう

例の歌、やっと歌詞全文確認しました。

※今まで私が主張していたのは、どんな内容であれ表現の自由は尊重されるべきであり、また育児関連の社会問題の責任をたまたま目立ったポピュラー音楽の歌詞に背負わせるべきではないということだけです。

それで思ったのですがこれ、24時間全く自分の時間が無いけれどおかあさんだから幸せ・・・という歌詞ではないじゃないの。

おかずの味付けが子供向けになるのも、自分以外のために早起きするのも、子供の趣味の知識が身についてしまうのも、好きなおかずを子供に取られるのも、それくらいならまあ我慢の範囲内ですよ。

私は全部経験中です。10年間。

例えば餃子や春巻きやコロッケのパック買いますよね。普通は5個入りです。食卓では息子2、妻2、私1です。

そして私の1のうち4分の1くらいは息子に囓られます。

ウナギが手に入ることがまれにあります。私の取り分は食卓では一応分けられていますが、全部息子に取られます。

良いんですよそんなのどうだって。これまで私はコロッケもウナギも散々食ってきたんだから。

家族のための早起きなんか結婚してからずっとです。妻より30分前に起きて、妻がリビングに現れた時には朝食が湯気を立てて並んでいる。妻が帰宅したらさっと食事を並べる。妻が食べ終わった皿はさっと下げる。

ずっとです。ずーっと。

私のが圧倒的に体力があって寝起きも良いんだから当たり前のことです。家族なんだから。

ウルトラマンも仮面ライダーもベイブレードも付き合って見てれば憶えてしまう。

おかげで今の特撮ドラマのレベルを知ることが出来た。ありがたいなあ。ウルトラマンジード、仮面ライダービルド。凄い。とんでもなく凄い作品たちだった。

でも別のとこでちゃんと昼寝とか出来てるし、まあ昼は基本残飯食ってるだけですが、本当に食べたきゃなんでも好きなもん買って食います。

つまり、我慢というか家族のために譲るとこは譲るけど、他で十分に息抜きしたり好きなことしたり出来てるから、こんな歌詞の内容程度の我慢なんか私は全然平気。

でも平気じゃない人がいっぱいいるってことは、日本社会が、ちゃんと育児者に十分なサポートを提供出来ていないってことなんです。

シングルマザーとか遠距離通勤長時間労働ワーキングマザーとか夫がDVクソ野郎だとか夫毎日終電でママワンオペ育児だったら、そりゃブチ切れですよ。

でもこれそこまでシチュエーション設定されてないでしょ。この歌詞内容でも夫が17時定時上がりで18時には買い物して帰ってきて育児交替してくれて、週末は必ず1日は完全リリースで好きなことさせてくれて、平日も月1か月2くらいで友達と飲みに行ったりライブ行ったり出来て記念日には花束と高い服買ってくれて、だったらどうですか?

なんとかなりません?

問題はそこ。そっち。砲撃を撃ち込むべきはそっち。マイナー絵本作家をネットリンチで潰したって何も変わりません。本当におかしいのは歌じゃなくて、日本の社会の方だべ。

2/8追記:これ、huluの番組向けのクライアントワークとしたら、発注側のディレクションも入っていただろうし、文句付けるならむしろ番組製作委員会でしょう。その程度の世の中の仕組みも知らん連中が作詞家にコメント突撃かけてるのか。