スカパーの「History Channel」で放送されていたドキュメンタリー「Chinatown: Stranger in a Strange land」を見ました。番組のタイトルはThin LizzyとIron Maidenのメドレーみたいですが、中身はなかなか良く出来た中国人移民史でした。
日本人移民も1924年の排日移民法でひどい目に遭ったわけですが、中国人はもっと前から散々に法律でいやがらせや収奪を受けていたようです。そんな中で彼らの互助会的存在だったのが「会館」なのだそうです。これは同郷の（つまり山西とか河北とか広東とか）者同士が作っていた組合で、殆ど生活のありとあらゆる面をケアしていたようなのですが、中でも重要な機能が「遺骨を故郷に送る」というもの。
先日は日本人の漂流者の音吉さんがやっと故郷の知多半島に戻られましたが、中国人もせめて死んだら故郷に戻りたかったということでしょう。そこで遺骨を故郷に送るまで仮に安置しておく為に作られたのが中国人墓地なんだそうです。
中国人墓地といえば、そう、パンチボウル脇にもありましたね。アイカウ・ファミリーが墓守をして黄金の日々を過ごした場所。しばしばポップス（アイカウ・ファミリーのお父さん）主催の大ルアウパーティの会場となり、酔って暴れた客は酔いつぶれた後にアイカウ・ブラザーズの手で納骨所に放り込まれる（酔いが醒めて目を覚ますと真っ暗な中で髑髏に囲まれているわけで、しばしば死後の世界と勘違いして泣き出す人もいたらしい）こともあったあの中国人墓地。
もしかしたらアイカウ・ファミリーの住んだ中国人墓地も、同じように故郷へ帰る日を待つ中国人移民の仮の寝所だったのかもしれないですね。
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