少しはこっちの事情も考えてくれよ

 また話が流れたホクレア号の日本航海。私が知る限り1999年くらいから、毎年のように噂だけは立って、流れ、また噂が出ては流れ、ということを散々に繰り返しておりましたから、正直「はいはい、またですか。いつも通りですね。」という気分も少しありましたよ。なんせ・・・・・・正式決定の予定日とされていたのが8月の半ばで、そういう話は一応日本にも伝わってくるんですが、やはりそれに合わせて「本当に来るんなら準備しとかないと。」と動く人間はいるわけですよ。だって、正式決定したとして、普通はそれと同時に日本でも何かアクション起こさないとだめでしょ。ハワイだけで打ち上げ花火上げてたって、日本からじゃ遠すぎて見えねーよ。

 だいたいさ。翌年3月入港予定で前年のお盆に正式決定って、日本の常識でいえば発表遅すぎると思いませんか? しかも正式決定の前に全て内定していて、下準備は進めてくれて良いっていうんじゃないんですよ。逆。正式決定までは準備しないでくれって言ってくるんです。それで正式決定が7ヶ月前を予定というのはね・・・・。

 たしかに、彼らがこれまで訪れた土地、タヒチ、アオテアロア、クック諸島、サモア、ラパ・ヌイ、テ・ヘヌア・エナナくらいの小さな島だったら、半年前でも話は充分に広まるでしょう。タヒチの人口が14万人でパペエテ市に2万5000人。それくらいだったら、半年あれば準備出来ますよ。

 私思うんですが、ナイノアさん、それと同じ感覚で日本を捉えてるんじゃないかな。横浜市350万人、東京都1200万人、日本国民1億2千万人が、タヒチと同じに半年で話を広めて人を集められるって思ってない? それはねえ、無茶ですよ。無理。言いたかないですが、日本を舐めてます。そんな都合の良い所じゃない。

 いや、密かにお忍びで来航して、誰にも気づかれないうちにハワイに帰りたいっていうんなら良いですよ。でも実際はそうじゃない。ナイノアさんはホクレア号で日本に来ることで、幅広い層の人間にアピールしたいと思っている。それは「EDDIE WOULD GO」の翻訳の話をしていてはっきりわかりました。だって書いてあったもん。ホクレア号が日本に着いた時にサーファーやカヌー乗りしか集まらないんじゃ嫌だって。

 だったら、せめて1年前には正式に決めておいて欲しいんですよ。ホクレア号の日本航海をナイノアさんが思い描いている形で成功させたいんだったらね。ミクロネシア経由の2006年12月出航なら、今年中には正式決定して、日本に行くから準備よろしくと声をかけておくのが、日本的な筋の通し方です。ナイノアさんの思惑がどうあれ、日本という巨大な国で、相応しい形でホクレア号の来航準備をするには、それくらい時間がかかるし、そういう筋の通し方を外しては話は進まない。

 だから、ホクレア号にとってもこれはチャレンジだと考えて欲しいですね。これまでと同じ感覚でやってたら、足下掬われますよ。日本には日本の手順や、都合がある。そこはホクレア号にも斟酌していただきたい。お互いに相手のことを気遣っていかないと。

 誰か、その辺をナイノアさんにビシッと言ってやってくれませんかね。