ジェフ・ジャービス『パブリック』、あるいは部室での飲酒風景をインスタグラムにアップする勇者の今後について

中村伊知哉さんがツイッターで面白いと書いておられたジェフ・ジャービス『パブリック―開かれたネットの価値を最大化せよ』を早速読んでますが、面白いです。

何をプライベートとし、何をパブリックとするかの判断が文化圏によって全然違うという事例から入って(例えばドイツ人は男女混浴全裸サウナなんか超OKのくせにグーグルのストリート写真ビューに大反対するとか)、プライベートを秘匿することの重要性と同時に、個人に関わる何かをシェアすることの価値もまた軽視すべきではないという議論が展開しています。

例えば多くの私の教え子たちが、加藤先生はありとあらゆることをフェイスブックやブログに書いているけどあれ大丈夫なのか・・・・という意見を持っています。もちろん私はちゃんと何をシェアし、何をシェアしないのかを、明確な基準をウラで設定してコントロールしているし、むしろ部室で飲酒しているのがバレたら部室使用禁止1年になる大学の学生が、部室で飲んでいる写真をインスタグラムにアップしてるとか、鍵アカウントじゃないツイッターに「お金拾ったラッキー」(←拾得物横領罪)なんて書いちゃったりとか、おまえらのが余程危ないよと思うわけですがね。

あ、そういえば上記2例は同じ部に所属している学生だわ(笑)

話を戻して、じゃあそんなオープン過ぎる私の記事はどう扱われているのか。
最近感じているのですが、私が想像するより遥かに多くの人が「ちゃんと」記事を読んで下さっているんですね。育児バッグの開発進捗とか、普段全然気配が無い人が凄い細かいとこまで把握していたりして。

つまり、なんだかんだでシェアされたものは皆さんきっちり利用しているんですよ多分。だから、何割かは積極的にオープンなスタンスでインターネットに何かをシェアしていく人が居ないと、インターネットそのものが活力を保てないんだろうなあと感じて、先を読みすすむことにします。

そういえばグーグルのストリートビューってのも写真ですからね。パブリック、シェア、写真という問題圏はやはり今年度の写真文化論から手を着けておかないといかんと。

※厚さ4センチくらいある本だけど2週分くらいのテキストにしちゃおうかなあというお話