小説

小説

Tiktokの小説紹介は書評なのか書評ではないのか。そして現代のシェア文化に敗北したオールドスクールなチンピラ文化。

書評を生業とする豊崎由美という人が、Tiktokのショート動画による小説紹介で多くの小説の重版を実現させた「けんご」氏を念頭に置いたと思しき発言をツイートして炎上した件。 炎上は最終的に豊崎由美氏が(紆余曲折あったとはいえ形の上では真面目に...
アート&デザイン

内資老舗名門出版社群におけるマーケティングやデザインの不在感

創元から最近単発で出た非なろう系国産ハイファンタジーを読み進めている。 発売直後に買って初速にも貢献したはずなので、ストレートな感想を書くくらいはゆるされるだろう。 作者はSF畑のベテラン。上橋菜穂子作品に風の谷のナウシカと戦闘妖精雪風(1...
小説

日本ファンタジーノベル大賞とブランディングとKADOKAWA無双

日本ファンタジーノベル大賞、今年の私の挑戦は「従来のファンノベ大賞受賞作からかけ離れた方向でぶっ飛んだエンタメがどこまで勝ち上がるか」を計測するというコンセプトでの実験でした。 そのために過去の受賞作も片っ端から読み、応募作は15人くらいの...
小説

山之口洋『オルガニスト』書評。SFです。

山之口洋『オルガニスト』読了。第10回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 導入部分ものすごく文章上手くて凄いなあと思うんだけど、ドイツ人の大学教員が同僚に送信したメールの書き方が内資大企業の拝承感に溢れていて、ちょっと笑いました。山之口は拝...
小説

倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』と富士見ロマン文庫と日本のオタク文化における「メイド」要素の始まりと

星海社公式ツイッターの告知で紙本は完売間近とあったので、取り急ぎ倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』を購入。 これはリアタイで読んだかどうかはっきりしない。 真っ先にチェックしたのは同時収録の稲葉真弓「私が覆面作家だった頃」。 それによると稲葉に...
小説

スリップストリーム文学短編戦線の絶望的戦況

一昨日は「阿波しらさぎ文学賞」の結果発表だったんだけど(注:私は不参加。その理由を説明するエントリである)、一次通過者とか最終審査まで上がった人とか、それなりに知り合いがいるのですよ。公募で上位に来る人ってある種の「常連」化するので、2年も...
アート&デザイン

レジデンシープログラムとNovelJam

アメリカの有力文芸誌のTin Houseが来年1-2月のレジデンシー(執筆合宿のようなもの。滞在費は向こう持ち・外国からのアプライ可)の参加者を募集していて、SF作家向けコースというのもあるんだけど、どのコースも「執筆契約を出版社と交わして...
小説

書評:佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』

佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』読了。1991年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 日本ファンタジーノベル大賞は『後宮小説』とこれで路線が決定的になった感がありますね。 内容は佐藤の好きな20世紀初頭のドイツを舞台にしたピカレスク幽体離脱ド...