航海カヌーとは関係無い宣伝でご免なすって

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共訳書が出ました。

アルトゥーロ・ペレス=レベルテ『アラトリステ〈2〉異教の血(LIMPIEZA DE SANGRE)』
ISBN:4900405116
311p 19cm(B6)
イン・ロック

\1,575(税込) (本体価:\1,500)

今のところ紀伊国屋とヤフーで買えます。アマゾンに出るのは数日後でしょう。

紀伊国屋
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9981195839
ヤフー
http://7andy.yahoo.co.jp/books/detail?accd=31774942

 今回は近世スペインで猛威を振るったとされる宗教裁判、いわゆる魔女狩りがテーマです。実はこの魔女狩り、16世紀後半から80年間にも渡ってスペインと戦い続けていたオランダによるネガティヴ・キャンペーンという側面も大きく、実際の史料をもとにして検証してみると、スペインの宗教裁判が他国に較べて取り立てて過酷であったというわけでもないようです。その辺の描き方も本書の見所の一つですね。著者は非常に緻密な取材をしているようで、当時の宗教裁判の手続きや内情(異端審問所のやりたい放題というわけではなく、きちんとしたルールに則って行われていた)、あるいは宗教裁判がスペイン社会に与えた影響なども、冷静で客観的な筆致で描いています。宗教裁判が全体として社会に災厄をもたらしたことは疑い無いが、ルール無用の反近代的な営みということは決して無く、明確なルールがありその背景となる法哲学があったということですね。

 訳していてもこの辺りはかなり面白かったです。

 ストーリーそのものも、どんでん返しが3発か4発くらいあって、1巻に較べても格段に読み応えがあると思います。