もう良いみたい

『星の航海術 ホクレア号冒険記』青土社
W・クセルク著/加藤晃生(訳)  予価2,520円
http://www.seidosha.co.jp/index.php?published

 ナイノア・トンプソン氏に天文学の初歩からを教えて、ナイノア式のモダン・ウェイファインディングの創始に巨大な貢献をされたWill Kyselka先生の著書「An Ocean in Mind」(Hawaii University Press, 1987)の全訳です。表紙の写真と解説は石川直樹さんです。訳文は徹底的に日本語としてのリズムに拘って、何度も何度も推敲しました。前半は若き日のナイノア氏がゼロから出発して、独自の航法術を生み出すまでの苦闘を、後半はハワイからタヒチへの航海を描いています。

 ついにホクレアがツアモツ諸島を視認するシーン、そして復路のホクレアが雲の中から突如現れたマウナ・ケアに出会うシーンは、訳していても涙が止まりませんでした。

 編集の橋口さんが頑張ってくださって、可能な限り価格を低く抑えてくださいましたが、それでも2000円は超えてしまいました。ですが、これでも(私を含めて)殆ど儲けが出るか出ないかみたいなラインでやっております。橋口さんも石川さんも、そして私も、この名著を日本の皆さんに日本語で読んでいただくことそのものに大きな価値があると信じて、最後の追い込みの作業に入っています。是非とも手にとっていただければ、きっと値段相応の価値があることをご理解いただけると思います。

追記:今日、表紙のドラフトを見せていただきました。石川さん撮影のホクレアのクラブクロウ・セイルがハワイの蒼天にそそり立っている、ゾクゾクするような表紙です。最高です。