人ごとではないですね

 ご存じのように某大長編小説執筆を30年間続けられた方が先日亡くなられました。

 30巻までは掛け値なしに素晴らしい品質だったと思います。70巻くらいまでは値段なり(1冊400円強)の中身は保っていたと思います。その後は救いがたい駄作だったと考えます。最低でも70巻までロールバックして他の誰かが書き直す、出来れば31巻からやり直すと良いものが出来るはずです。

 などと考えながらお風呂の中で計算してみたんですが、レベルテの旦那は1996年から2006年までの10年間で6冊を書き、しかし作中の時間は5年弱しか進んでいません。6巻で1628年でしたか? アラトリステが戦死する1643年までこのペースで行くとなると、最低でもあと15冊。コンスタントにペースを守って書いて24年間かかります。
 
 が、2巻3巻4巻5巻とどんどんボリュームも執筆期間も増えていることを考えると、そのペースは絶対に無理だと思います。最低の品質に墜ちてもとにかく書いて書いて書き続けるよりは、無理に先を急がない方が遙かにマシですけれども。アラトリステの死に様は映画でもう語られていますし、あとは映画で語られなかったネルトリンゲンの戦い、アンヘリカの死、マラテスタとの決着、アラトリステが「ブレダの開城」から消された経緯くらいを押さえてくれれば取り敢えず個人的には満足ですね。