今日は、いかにしてホクレア号を支援するかを、組織という視点から考えてみたいと思います。
私の予想ですが、各地でのホクレア号の受け入れ態勢は、2002年FIFAワールドカップの各国代表を受け入れた時のような形になると見ています。おそらく寄港予定の市町村に受け入れの為の委員会が作られるでしょう。
例えば、アイルランド代表を受け入れた千葉市について組織を見てみると、まず「2002FIFAワールドカップ千葉市キャンプ実行委員会」という組織が全体を統括していました。この組織は千葉市、千葉商工会議所、千葉青年会議所が協力して作ったもので、千葉市からは市民交流室長、
まちづくり委員長というような方々が期間中出向しておられました。
キャンプそのものはもちろんアイルランド・サッカー連盟(Football Association of Ireland)が仕切るわけですが、周辺の関連イベントの会場設営や清掃には、千葉市教育委員会社会体育課という所が窓口となって、地域住民のボランティアを受け入れ、さらに千葉商工会議所が「アイルランドサポートクラブ千葉」という、地域住民による支援をとりまとめる団体を作っていました(本部は弁当屋に置かれていたらしい)。清掃ボランティアもあれば、募金活動もあり、交流会もあり。
もちろん「アイルランドサポートクラブ千葉」に入らなくても、別の地域に住んでいても、アイルランド代表の応援や支援には自由に関われたわけですが。
この図式、たぶん、大筋ではホクレア号の受け入れ態勢に応用して考えることが出来るでしょう。商工会議所、青年会議所、教育委員会あたりが公的な組織の母胎となる。ここがまず事務的な業務を受け持つ。そこに地域住民の支援活動を統括するNPOのようなものが付け加わって、個々の交流活動が形作られていく。
そうすると、私たちが主に関わっていけるのは後者になります。楽しい方ね。事務なんかつまらんですから。
それにしても、お役所が関わると、地域住民の頭越しの交流になってしまうんじゃないかという懸念もあるかもしれません。以前私はそういった懸念も書きました。しかし、私は今のところ、その点をかなり楽観視しています。何故ならば、ホクレア号が来るまでにもうあまり時間が無いからです。
ホクレア号の現在の予定では、一番早い那覇には3月から4月くらいに入港してくることになるでしょう*。そうすると、那覇市は当初予算の一般会計の中にそれ用の予算を組んでいないにも関わらず、準備を進めていかなければならない。
お金なんかありませんよ。そんな。ねえ。人手だってない。
とはいえ、今回の航海プロジェクトには某大手広告代理店が参加しているそうですから、当然、メディア露出はそれなりに期待出来る。むげに追い返すわけにもいかない。そうすると、どうしてもボランティア頼み、地域住民頼みにシフトせざるを得ない。ホクレア号のために一汗かいてやろうという市民がやってくれば、それはもうお願いするしかない。
私はここに勝機を見ています。寄港予定地では、ホクレア号サポートクラブのようなものを必ず作ろうとするはずです。その準備会議のようなもののお知らせが、市町村の公報に必ず出ます。そこに入っていって、どんどん意見を出していく。そこから、より広い市民参加を探る方向に持っていく事が出来ると思います。
ですからね。公報。折り込みチラシと一緒に捨てたらだめですよ。要チェックです。
また、それはそれとして、とりあえず心ある仲間に声をかけて集まって、酒でも飲みながら話し合ってみるのも良いと思います。策を練っておく。おそらく、市民参加の支援組織の第1回会合は、全く手探りの状態で始まると思います。だって役所の担当者にとっては寝耳に水の話ですから。何をどうしたら良いのか、そもそもホクレア号って何なのかもよくわかっていません。そこに、ホクレア号を語れる仲間と連れだって乗り込んでいけば、否応無しに頼りにされるんじゃないでしょうかね。
そうそう、アイルランドサポートクラブ千葉は、いまでもアイルランド代表を地道に応援しつづけているようです。そういう形で交流が続いていく可能性もあるわけですね。
* 私は、主に受け入れ側の予算や人員の問題で、予定が多少後ろにズレ込むのではないかと見ています。