いやあ。ドクター・シェリーのあの記事は面白かったですね。周防大島の木工職人が作ったという部材の話。
西村一広さんのウェブログにその「ペペピアオ」の画像があります。
宮崎雅子さんのウェブログにも。
画像を見るとマストに装着される側の桁材(ホクレアの帆はマストに直接ではなく、別の2本の桁材の間に張られた上でマストに装着される。これは帆を速やかに畳むのに都合が良いから)に取り付けてロープの支点にする部材のようです。トライシング・ラインを通すと言いますから、この部材で折り返したロープの先がクラブクロウ・セイルのブームかどこかに行っているんじゃないかと思います。つまりこのロープを引っ張るとブームの角度が変わる=クラブクロウ・セイルが開閉する。
さて。笑いましたでしょ。私は笑いました。だってドクター・シェリーは控えめに書いているけど、要は「エロじじい」さんでしょ。原文には「not appropriate」なんて懐かしい表現もありました。ほら、クリントン大統領が研修生との不倫をバラされた時に、半泣きで言っていたあのフレーズ。「不適切な関係」。素晴らしい。じいちゃん、そのノリは悪くないぜ。エロじじい良いじゃないですか。ホクレアはエロじじいに助けられて航海を続けた。そう来なくっちゃ。ただの美談からグッと味わいを増した気がしませんか?
ちなみにこの藤井さんのお店や作品の画像はこちらにあります。やはりただ者ではない腕前のようです。
もともと周防大島というのは大工の出稼ぎも沢山出した島でした。宮本常一さんの本にも、周防大島出身で北は関東、西は朝鮮半島、南は台湾にまで渡って腕一本で食ったという大工さんの話が出てきますし、愛媛や高知には周防大島の大工が作った神社仏閣が今も数多く残されているそうです。この藤井さんも若かりし頃にはそうした稼ぎをされたのかもしれませんね。