セサリオさんと11人のミクロネシアの航海者たち

 英語ブログにはキャシーさんの記事が上がっていますが、かなりの長文なので少し時間がかかります。申し訳ない。明日の昼までにはなんとか出来ると思います。内容はチュークからヤップまでの航海の報告ですね。目新しい情報としては、ウォレアイ環礁からユリシー環礁まではカイウラニさんが船団の航法を担当した(デビュー戦?)ことと、サタワル島ではミクロネシア人もセサリオさんを含めて11人が受戒したということでしょうか。

 いよいよ「アラトリステ」第1期シリーズ最終5巻の作業が始まるので、これからはホクレアのブログの翻訳に使える時間がどうしても減ってしまいます。ですが、アップされる時間はともかく品質は絶対に落とさないつもりですので、どうかご了承下さい。

 さて、いよいよホクレアとアリンガノ・マイスのミクロネシア航海も最終レグ。あとはパラオ往復だけです。そしてホクレアとカマ・ヘレは日本列島を目指します。4月の19か20には糸満に入るというんだから、もう1ヶ月無いですね。うそみたい。全然実感が沸きません。それぞれの寄港地がどうなっているのかもまだよくわかりません。もしかしたら、各寄港地限定の局地的な盛り上がりしか発生しないまま終わるのかもしれないです。

 が、何なんでしょうねえ。今日別の記事でご紹介したような理解が、現在の日本列島におけるホクレア受容の解釈について最も妥当かというと、そうは思えないんです。例えばこの記事。

瀬戸内 シーカヤック日記: ホクレア号がつなぐ人の輪 - 瀬戸内シーカヤック日記:楽天ブログ
『長い航海の意義は、島に到着するという結果にあるのではなく、島にたどり着くまでの長い航海、その道のりにあるのです(ホクレア号が行く、ブロンズ新社)』 星の航海師、ナイノア・トンプソンのこの言葉を、こ

 おそらくここで登場する広島市子ども文化科学館の説明員さんって、私の知っている方だと思うんですけれどもね。凄く誠実に、ホクレアの価値ある側面を広島の子供たちに伝えようと努力されている方ですよ。しかもそれだけではなく、仕事を離れたところでもホクレアの日本航海を真摯に応援されている。きっとこの方の努力って、ごく一部の人間にしか知られないままなんでしょうけど、でも私個人は大したものだと思っています。そして、こういう人がおそらくは沢山色々なところに生まれておられるんだと推測します。

 いや、実証データがあるわけじゃないですけど。でも少なくとも片手に余るくらいは、そういう、名前は表に出ないけれど冷静かつ地道に今回の航海を応援しておられる日本人がいます。私が直接知っているだけでね。まあ、何と言っても私は日本列島に今現在も住んでいるわけですから、これは説得力があります。

 ・・・・そういう人々が現れただけでも、既にこの航海のある部分は成功しつつある。そう言って良いと思います。何度も書きますが、ポリネシア航海協会には組織面で色々と問題がある。それはおそらく正しい。ですが、彼らが追究する綺麗事の中には、私たち日本列島人が学ぶべきものも確実に存在していると私は思う。私個人もポリネシア航海協会に言いたいことは結構ある。けれど、今は取り敢えず彼らの掲げる大義を応援したい。きっとそれだけの価値はある。

 ともかくですよ。悪口や揶揄や嘲笑は価値あるものを生み出しません。何かを壊すことはあってもね。何かを褒める時に感情は入れて良い。ですが何かを批判する時に感情は一切入れてはいけない。他者を批判する権利があるのは事実と論理だけなのです。