書評・読書記録

書評・読書記録

『影との戦い』(The Wizard of Earthsea) 書評

順番は前後しましたが、『壊れた腕輪』が結構面白かったというか、私の好みにマッチしていたので、遡って1作目も読みました。いわゆる「ゲド戦記」(岩波の社員が適当に考えたシリーズ名なのだそうです)のエピソード1。主人公は魔法使いとしての素質豊かな...
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初めて『ゲド戦記』を読んだら自分の小説(の2作目と3作目)にプロットがめちゃくちゃ似ていて驚いた件

アーシュラ・K・ル=グゥインの『壊れた指輪(The Tombs of Atuan)』を読みました。日本では誰が何を考えて名付けたか「ゲド戦記」と呼ばれるシリーズの2作目です。本来のシリーズ名はThe Earthsea Cycle。この本は1...
コミュニケーション

「宮子和眞」という人の与太をゴミ箱に放り込んだ話

昨日、息子がCoderdojoに行っている間に近所のブクオフで見つけたRichard Bonaの"Tiki"というアルバムを開けたら、なんと懐かしい「ライナーノート」というものが出てきた。2005年に発売されたCDですこれ。もう若い世代では...
書評・読書記録

立教大学比較文明学専攻の創設のウラ話を、定年退職された先生の私家版の自伝で読んで、そのヤバさに感動した(笑)

立教大学社会学部で教えておられた三浦雅弘先生から私家版の『追悼記』という本を頂いた。これはタイトルからもわかるように、三浦先生の周囲にいらした、そして夭折された方々の思い出を綴られたもので、暗鬱な描写も多く、決して私が得意とする本ではないの...
書評・読書記録

54年くらい昔の常識で止まっているような俗流文学論が多すぎてもう

批評というものについての理解が1960年代以前の古き良き作家論や作品論の段階で止まっているような(しかし私よりかなり若い)小説家や編集者を発見するのに、さほどの苦労を要しないということに戸惑っている。こないだ立教の文芸思想専修の先生と話した...
書評・読書記録

野田知佑『北極海へ』書評

先日、大先輩のライターの友野伸一郎さんに頂いた本を読了。 野田知佑は学部生の頃に沢山読んでいる。記憶にある限りでは 『日本の川を旅する』『魚眼漫遊大雑記』『カヌーで来た男』『のんびり行こうぜ』『川を下って都会の中へ』『ゆらゆらとユーコン』『...
アート&デザイン

「ちはやふる」と「ヒカルの碁」とディズニーと

末次由紀「ちはやふる」を最新の44巻まで読みました。映画は見たことあったのですが、マンガは手を出していなかったのです。映画の広瀬すずが美しすぎたので、あれでもう満足しておりました。いやあもうこれはこの世のものとは思えないでしょう広瀬すず。天...
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米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』のやりたい放題の幸福

米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』視点人物はバシバシ切り替わるわ、誰が喋ってるんだかわからない台詞はいっぱいあるわ、情報収集担当キャラがドラえもんのポケットから次々にビンゴ資料を出してくれるわ、説明的長台詞多いわ、繕いだらけのご都合主義...