北太平洋

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『ズニ族の謎』精読(第6章)

『ズニ族の謎』の6章は、血液型や身体形質の面からのズニの検討です。この章は、解説で訳者の吉田さんも「手堅い」と評しているように、これまでの議論よりも説得力があります。本の構成としたら、この部分を冒頭に持ってくる方が読者を引きつけられたと思い...
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『ズニ族の謎』精読(第5章)

第5章では北太平洋を12世紀から14世紀という時期に日本人が横断できたかどうかが検討されます。角川春樹の「野生号3世」の話がいきなり出てきますが、「野生号3世」のようなカタマランが室町時代にあったなんて話は聞いたことが無いですね。  その後...
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1421

1421年ってご存じですか? ご存じですかって言われても「は?」となりますかね。いや、1421年に明の艦隊がアメリカ大陸に到達していた、という説。  そういう本が出ているんです。  今シリーズで読んでいる『ズニ族の謎』は13-14世紀に、っ...
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咸臨丸の時計

江戸幕府の西洋船「咸臨丸」の時計が見つかったそうです。  「咸臨丸」というと福沢諭吉の渡航が有名ですが、例えば小笠原を江戸幕府が領土化した時にも咸臨丸で小笠原まで行ったんですよ。江戸時代の日本の船はいわゆる「千石船」みたいな和船でしたが、こ...
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『ズニ族の謎』精読(3-4章)

3章ではまずズニの先史時代の歴史が概観されます。内容は ・ズニは幾つかの部族が融合したものであり、少なくとも二つの系統の文化が合流したと推測される。これは14世紀前半である。 ・14世紀後半には、それまで小規模な村に分かれていたズニが9つの...
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『ズニ族の謎』精読(2章まで)

では『ズニ族の謎』の細部を検討していきましょう。  まず2章まで。序論は筆者の個人史なので省略。1章はズニの現在についての説明なのでこれも省略。実質的な議論は2章から始まります。2章ではズニの起源神話の検討。  19世紀に人類学者による参与...
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『ズニ族の謎』精読(概要紹介)

日々支離滅裂なネタを提供しているこのウェブログですが、これから新シリーズを一つ始めたいと思います。テーマは『ズニ族の謎』という本です。  まずこの本の概要について説明しましょう。これは筑摩学芸文庫で昨年出た分厚い研究書です。原著を書いたのは...