Powered by Yanmar(漁船のエンジンみなヤンマー)

 日本郵船がホクレアをバックアップしているという話を書きましたが、今回、ホクレアの航海をサポートする日本企業は三つあります。クルーの移動をサポートするのが日本航空。ホクレアに航海士を派遣し、またホクレアの輸送を担当するのが日本郵船。そしてもう一つ。伴走船カマ・ヘレのエンジンとトランスミッションを提供したのがヤンマー。

*ヤンマーについてはこちらを参照。
http://www.yanmar.co.jp/aboutus/whats-new/information/0612/20070106.htm

 なにせホクレアもアリンガノ・マイスもまともなエンジン付いていないはずですからね(時期によってはホクレアはデッキ部分に港内移動用の船外機を装備していました)。何かあった時にはカマ・ヘレが曳航しなければなりません。カマ・ヘレのヤンマー製エンジンの信頼性・耐久性がそのまま船団の命綱の一本になっている。ヤン坊マー坊には根性あるところを見せてもらいたいものです。

 面白いのは日本郵船。日本郵船は2005年に「トール・ヘイエルダール国際海洋環境賞」という、海運業界ではそれなりに名誉ある賞を受賞しているんですが、そもそもホクレアが1975年に建造されたのは、ヘイエルダールによる「ポリネシア人南米ルーツ説」とアンドリュー・シャープによる「ポリネシア人漂流拡散説」を否定する為でした。つまり、「ポリネシア人の祖先は筏に乗って南米から流れてきた」という学説と、「ポリネシア人はたまたま嵐で流されて、流された先の島で子孫を作って、という繰り返しで太平洋に拡がっていった」という学説に「それは違う」と言うため。

 もちろんヘイエルダールは冒険家としても研究者としても偉大な人物ですから、少なくともホクレアに関わった研究者たちは、実験航海の先駆者としてのヘイエルダールに敬意を持ってはいたようですけれどもね。

 ともあれ、奇遇というか奇縁というか。