昨日、スーパーを歩いていたら、見慣れない名前の芋がありました。「赤目芋」。里芋の一種のようです。八頭に似ているけど、あんなに複雑な形をしていない。巨大な栗のような形状。
地元産の野菜のコーナーにあったんで、もしや武蔵野特産の里芋かと思って買って帰って調べたら、なんのことはないインドネシア原産のセレベスという里芋のことでした。親芋のお尻のところが充血した目に見えるから赤目芋なのかな。おどかしやがってということで、大根と豚肉と一緒に釜ゆでの刑。醤油で味付けしていただきました。
ほんでですな。その赤目芋セレベス君をかじりながら考えましたよ。
そーいやあ、里芋さんの一族というのはリモート・オセアニアではスター野菜じゃないですか。いわゆるタロとかカロね。ワイピオ谷の自慢のタロイモ田を見せてくれたおじいちゃん、元気か?
食べ方だって色々ありますやね。ご存じポイ、あるいは土に埋めて蒸し焼きにしたりと、南の方ではワイルドでダイナミックな調理法がポピュラーですが、これが日本に来ると、京都は南禅寺門前の名店が出す「いもぼう」、すなわち棒ダラとエビ芋を炊き合わせた名物料理とか、山形や茨城あたりの野外料理「芋煮」という具合に、もう少ししみじみしたものになる。私なんかは人参や鶏肉、コンニャク、ゴボウなんかと一緒にじっくり炊いた、いわゆる筑前煮が一番好きですけども、石川早生みたいな小さめの里芋を茹でて、つるりと皮を剥いて生醤油で食べるなんてのも堪えられない。
良いですねえ。日本の里芋。
そこで考えた。遠路はるばるハワイからホクレア号が来たならば、ちょっと日本の里芋料理を大集合させて、里芋大会をやるってのはどうよ。さがせばまだまだ里芋を使った郷土料理ってあると思うんすよねえ。私はポイも好きですけども、里芋の食い方はポイだけじゃないぞってとこを、リモート・オセアニアの航海カヌー乗りたちに教えてやりましょうや。