『EDDIE WOULD GO』について少し思うこと

 少し前にもお伝えしましたが、エディ・アイカウの伝記『EDDIE WOULD GO』の邦訳の動きが各所でそれなりに始まっているようです。もちろん私もその中にあって、著者サイドと色々な話をしているのですが、自分自身、何か大事なことを忘れている気がしていました。

 そんな時、それを指摘してくださったのは、内田正洋さんです。一言で言えば、

「仁義を通さなければいけないよ。」

 ということ。エディへの仁義。ホクレア号そのものや、これまでホクレア号に関わってきた人たちへの仁義。そしてもちろん、アイカウ・ファミリーへの仁義。

 この本はもしかしたら、それなりに大きなビジネスになる可能性もありますが、「ハリー・ポッター」のようにいきなり大きく売れて売れ続けるような都合の良い本ではないとも思います。本の作り手、売り手が丁寧で誠実な仕事をして、それが読み手に認められたときに、はじめて売れ始める類の本です。

 例えば、一見ビジネスとは関係無いようでも、翻訳書を出す前に関係者が一人でも良いからワイメア・ベイに行ってエディに祈りを捧げて来るとか、アイカウ・ファミリーに挨拶をしてくるというようなことをきっちりとやる姿勢が貫かれていなければ、翻訳書には魂が入らないでしょう。そしてこの本は、魂が入っていなくても売れるような本ではないです。

 私が願っているのは、魂が込められた邦訳の出版です。そういった姿勢でこの本を翻訳しようという出版社、翻訳家がいれば、私は商売抜き損得抜きで応援しますし、単なるビジネスの一つと割り切って、エディやホクレア号、アイカウ・ファミリーをリスペクトしていない人々がやるのであれば、それは徹底的に批判するつもりです。

 みなさんは、どう思われますか?