カヌー連盟娯楽部門のフィクサーはどうもこの人らしい

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 日本カヌー連盟と野田知佑さんという、ちょっとあり得ない取り合わせですが、黒幕は辰野勇モンベル社長のようですね。

 こういうページがありました。

THE FLINTSTONE:モンベル、トライ&キャリー2004・レポート第1弾(04.05.16)
千葉のFMラジオ局BAY FM(ベイエフエム)のネイチャー番組「ザ・フリントストーン」のホームページ。モンベル「トライ&キャリー2004」の取材レポート・パート1

 この中盤あたり、こういう発言があります。

「日本を変えるときに薩摩も長州もみんな手を組んだでしょ。ね、野田さん? この際日本カヌー連盟と野田知佑を一緒にしてしまおうというのが僕の目論見なんです(笑)。今までやってきた指導員制度は何をして来たかというと、オリンピックや国体やメダルを目指す人達を作ってきたわけですよ。ところが一方で一般の人が楽しむカヌーということに関して、いやしくも日本を代表する唯一のカヌーの組織がそこのところをこの40年間全くやって来なかった。これを今からやろうと。
 多分、日本カヌー連盟公認カヌー・スクールと公認指導員という名前のものが立ち上がります。ただし、我々の目的は上手になるとかメダルを目指すのではなくて、安全に楽しめるカヌーを目指す指導員をつくる。
 で、そういうメダルを目指して頑張ってきた連中というのは、勝負で勝てなくなったらカヌーをやめるんですよ。競技をやめるのではなくてカヌーをやめてしまうんです。すなわちカヌーが目的ではなくて勝つことが目的なんです。そこにおいて非常に大きなミスマッチがあって、今までカヌー連盟がやってきたことの、ポッカリ空いた大きな空白というのはそこのところで、そこを埋めていきたいと僕は思っているんですよ。今年から始まったばかりで、5年10年後にはこの国はきっと変わりますよ。」

 つまり、メインの活動目的としてはこういうの↑がある。カヌー遊びの振興ですね。それで広告塔としてカリスマを3人スカウトしたと。

 このプランは、航海カヌー云々とは全く無関係な所ですが、とても良い狙いだと私は思います。さすがは会社を一つ作って大きくしただけあって、辰野勇という人は一般社会にどう関わっていくかという所をきちんと考えているし、ここまでの手順も堅実*。さらに良い意味での政治力・調整力がある。

 野田さんは著述家として非常に優秀な方ですが、物言いにどうしても癖があるから、特に現在の日本のように左翼的なものへのアレルギーが強い社会では、糾合出来る層が非常に限定される(=ビーパル読者)と思いますし、内田さんは行動力は凄いし冒険家としての実績も素晴らしいけれど、文章はさほど上手だと思えないし(椎名誠さんのエピゴーネンに見えます)、本を読んで勉強するという事をあまりしない(ように思える)点で、やはりアピール出来る層が限られる(=ソフトなニューエイジャー)。それにお二人とも一匹狼だから、組織を作って引っ張っていくというスキルは(たぶん)無い。

 ですが、お二人ともカリスマ性はあるから、辰野さんが全体をコントロールしていく中で、それぞれが得意な層にアピールするという役割に専念するならば、一定の成果は期待出来るでしょう。

 では、この新しい組織が航海カヌー招致というミッションに関わって来るのか、その能力があるのか。

 私はやはり辰野さんが鍵を握っていると思います。この方が本腰を入れたら、かなり現実味を帯びてくるのではないでしょうか。逆に言えば辰野さんが動かない限りは、ちょっと厳しいかな。

 しかし、今のところ、航海カヌーは辰野さんが目指しているカヌー・レクリエーションの普及振興にジャストミートするものでは無いでしょう。だって日本に無いし、アクティヴィティとしてはヨットとカブる部分もあるけれど、ディンギーも今は下火ですからね。

 というわけで、私としては辰野さんの動きに注目してはいきますが、すぐさまに何かが動くという線は無いと予想します。

*公認指導員問題についての色々な意見をウェブ上で見てみた所、どうも一番大事な一手、すなわち在野無名の愛好家諸氏に広く協力を求めてボトムアップで組織を作っていくという所を省略してしまっているようです。