資料紹介

テレビ東京編『海を越えた縄文人:日本列島から太平洋ルートで南米まで1万6000キロの壮大な旅』祥伝社1999年
http://www.tv-tokyo.co.jp/book/book/005.html
 1999年にテレビ東京が開局30周年記念番組として放送した番組「仲代達矢・海を渡りて:ネシアの旅人~もうひとつの海のシルクロード~」の関連本で、取材に同行したディレクターが書いたと思われます。基本的な図式はバルビディア土器とバヌアツ縄文土器を奇貨に用いた「縄文人は南米まで行っていた」仮説で、これに従って仲代達矢さんがオセアニア各地を旅していくという体裁です。

 このウェブサイトのテーマに関連して注目したいのは、中盤かなりの分量でサタワル島滞在記が入っている点ですね。なんと仲代さんら取材クルーはレッパン師と一緒に近傍の島から船でサタワル島へ渡ったのですが、この時やたらと海が荒れて、出航から到着まで当初の予想の倍、50時間もかかったといいます。またサタワル島での取材記もなかなか現地の雰囲気を伝えており、面白く読めますし、現代日本の目から見たサタワル島についてのモノグラフとしても貴重でしょう。レッパン師の一族のカヌーのカラー写真も出ています。結構売れた本ですから、古本屋できっと安く買えると思います。