書評・読書記録

アート&デザイン

TOKYOハンバーグ「人間と、人間と似たものと。」劇評

この劇団の作る舞台は、前回の「のぞまれずさずかれずあるもの」の過去編に続き、2度目でした。会場は予想外に大きな「座・高円寺」。今回のテーマは、中国政府によるウイグル人弾圧でした。もう、モロに。ボカシとか一切無しで、よく、ここまでストレートに...
アート&デザイン

物語の在り処と小説家とNovelJam

NovelJam2019'の懇親会で他のチームの著者さんたちと色々話をしていて、「書きたくてここに来たけどテーマが見つからなくて編集さんに引き出してもらった」という声が凄く多かったのが印象的でした。これは社会学の卒論指導でも似たところがあっ...
書評・読書記録

話を進めるキューを「やるなと言われたことをやる奴がいる」「絶妙のタイミングで不必要なミスをする奴がいる」の二つに頼る書き方

「エイリアンVSプレデター」という映画を流し見しながら台風の到着を待っておりました。「ジュラシック・パーク」シリーズを流し見したときのことを思い出しました。アメリカ製のパニック映画あるある・全ての元凶になるのは「権力を持った白人のおっさん」...
書評・読書記録

Vシネクスト「仮面ライダーグリス / ドルヲタ、推しと付き合うってよ」を見てきた

仮面ライダージオウが終わって仮面ライダーゼロワンが始まるタイミングですが、早速、息子と二人で見てきました。「仮面ライダーグリス」【脚本】さすが武藤将吾。としか言いようがないです。上手い。よくぞ1時間でここまで要素を詰め込んで、ここまでバラン...
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『ハリー・ポッターと賢者の石』はファンタジーの物語構造分析のサンプルとして非常に使いやすかった

今更ながらに『ハリー・ポッターと賢者の石』を読んでみたんですが、良く言えばベーシックで教科書通り、悪く言えば全てがベタな作りで、驚きました。新しさを感じたのは、サブカルチャーとしての魔法使いの文化が、中世的なアイテム群を20世紀末の消費文化...
書評・読書記録

「事故で異世界に転生したら最強スペック持ってた」なろうプロットの元祖って実は新谷かおるの「エリア88」の風間真なのではないか?

標題の通りです。 転生のきっかけ:飲酒事故転生先:中東にある架空の王国アスラン特殊能力:戦闘機操縦+100, 判断力+50, 運+200 ストーリー 「孤児院育ちの平凡な青年、風間真は、飲酒事故で気を失ってしまい、再び目が覚めると砂漠のオア...
書評・読書記録

異形を求める

現代は日本史上、最も文芸が活性化している時代だと思います。その原動力となっているのがウェブ小説投稿サイトです。誰にも読みきれないような膨大な数の小説が日々投稿されている。たまにランダムでそうしたものを読んでいるのですが、色々な意味で勉強にな...
書評・読書記録

熊野聡『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』書評

熊野聡『ヴァイキングの経済学 略奪・贈与・交易』(山川出版社 2003)著者は一橋大学の経済学研究科を出て名古屋大学の教授をされていた方です。経済学博士。専門領域は古代から中世にかけての北欧の経済史ということになるようです。この本は中世北欧...