書評・読書記録 小川公代「翔ぶ女たち 魔女たちのエンパワメント——『テンペスト』から『水星の魔女』まで」感想 トータルでの評価 ・水星の魔女論ではなく魔女とケア論として読むべき。水星の魔女の読み取りはかなり怪しい(後述)し、水星の魔女とはあまり関係ない現代文学についての議論の方が遥かに多い。 ・文芸批評は実証性や正確性、精密性より面白さが大事と割り... 2023.08.14 書評・読書記録
fine art 純文学と日本語現代アートの相似 私もう確信してるんですけど日本の現代アートのほとんどは「純文学」です。 純文学も実は日本独特のジャンルで、明治大正昭和平成と4時代を経てガラパゴス化してきた、独自のコミュニティと美意識とルールがあるのですが(そして概ね輸出出来ない)、それが... 2022.12.24 fine art
Eコマース 李琴峰と小野美由紀のNFT小説が(今のところ)大失敗な理由は 芥川賞作家の李琴峰がNFT小説なるものを売り出したそうで、早速見に行ったけれど一つも売れていなかった。 プラットフォームは最大手のOpenseaで、色々と難しいことを書いてあるが、要は書影に紐づけたNFTを少数売り出して、購入者には本文DL... 2022.05.23 Eコマース
書評・読書記録 小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』書評 小川公代『ケアの倫理とエンパワメント』読了。 あまりケアの話には深入りしていないように思うが、クイア文学論としてはまあまあ面白い。アンデルセンが両性愛者だったかもしれないとか、「人魚姫」がその影響を受けていたかもしれないという話は初耳でした... 2022.01.06 書評・読書記録
書評・読書記録 マリオ・バルガス・リョサ『ケルト人の夢』書評 マリオ・バルガス・リョサ『ケルト人の夢』読了。博士課程でお世話になった野谷文昭先生の翻訳。 面白い面白くないとか、感動したしないというよりは、とにかく凄い本でした。アイルランド系イギリス人外交官のロジャー・ケイスメントの伝記小説で、彼がコン... 2022.01.04 書評・読書記録
アート&デザイン 金原ひとみや村上春樹は小説投稿サイトからデビューしようとしても安物のAIに阻止されるだろうという話 ウェブ小説サイトは色々ありますが、Pixivと「小説家になろう」のR18部門を除くと、カクヨムやエブリスタなど多分どこも曖昧な基準で「これは修正しないとR18扱いだから消すぞ」というメールを作者に送りつけていて、結構な問題となっています。 ... 2021.12.24 アート&デザインインターネット文化書評・読書記録物書きの仕事評論
評論 日本ファンタジーノベル大賞2021決定発表号を読んで倒れそうになった。 恩田陸の発言にびっくり 小説新潮を確認。 日本ファンタジーノベル大賞2021決定発表号。 選評でいきなり恩田陸がファンタジーは手段であって目的ではないと言い切っていてずっこけた。 ファンタジー小説好きがファンタジー小説を書き、読むのはファン... 2021.11.25 評論
小説 倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』と富士見ロマン文庫と日本のオタク文化における「メイド」要素の始まりと 星海社公式ツイッターの告知で紙本は完売間近とあったので、取り急ぎ倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』を購入。 これはリアタイで読んだかどうかはっきりしない。 真っ先にチェックしたのは同時収録の稲葉真弓「私が覆面作家だった頃」。 それによると稲葉に... 2021.08.15 小説評論