日本ファンタジーノベル大賞

評論

日本ファンタジーノベル大賞2021決定発表号を読んで倒れそうになった。

恩田陸の発言にびっくり 小説新潮を確認。 日本ファンタジーノベル大賞2021決定発表号。 選評でいきなり恩田陸がファンタジーは手段であって目的ではないと言い切っていてずっこけた。 ファンタジー小説好きがファンタジー小説を書き、読むのはファン...
アート&デザイン

内資老舗名門出版社群におけるマーケティングやデザインの不在感

創元から最近単発で出た非なろう系国産ハイファンタジーを読み進めている。 発売直後に買って初速にも貢献したはずなので、ストレートな感想を書くくらいはゆるされるだろう。 作者はSF畑のベテラン。上橋菜穂子作品に風の谷のナウシカと戦闘妖精雪風(1...
小説

日本ファンタジーノベル大賞とブランディングとKADOKAWA無双

日本ファンタジーノベル大賞、今年の私の挑戦は「従来のファンノベ大賞受賞作からかけ離れた方向でぶっ飛んだエンタメがどこまで勝ち上がるか」を計測するというコンセプトでの実験でした。 そのために過去の受賞作も片っ端から読み、応募作は15人くらいの...
小説

山之口洋『オルガニスト』書評。SFです。

山之口洋『オルガニスト』読了。第10回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 導入部分ものすごく文章上手くて凄いなあと思うんだけど、ドイツ人の大学教員が同僚に送信したメールの書き方が内資大企業の拝承感に溢れていて、ちょっと笑いました。山之口は拝...
小説

倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』と富士見ロマン文庫と日本のオタク文化における「メイド」要素の始まりと

星海社公式ツイッターの告知で紙本は完売間近とあったので、取り急ぎ倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』を購入。 これはリアタイで読んだかどうかはっきりしない。 真っ先にチェックしたのは同時収録の稲葉真弓「私が覆面作家だった頃」。 それによると稲葉に...
小説

スリップストリーム文学短編戦線の絶望的戦況

一昨日は「阿波しらさぎ文学賞」の結果発表だったんだけど(注:私は不参加。その理由を説明するエントリである)、一次通過者とか最終審査まで上がった人とか、それなりに知り合いがいるのですよ。公募で上位に来る人ってある種の「常連」化するので、2年も...
小説

書評:佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』

佐藤亜紀『バルタザールの遍歴』読了。1991年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 日本ファンタジーノベル大賞は『後宮小説』とこれで路線が決定的になった感がありますね。 内容は佐藤の好きな20世紀初頭のドイツを舞台にしたピカレスク幽体離脱ド...
書評・読書記録

書評:弘也英明『厭犬伝』

弘也英明『厭犬伝』を読みました。 2007年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作。著者は立教の文学部卒だから私の後輩ですね(学科は違います)。初めて書いた小説が本作で、それでファンノベ大賞受賞。これ1作限りで活動を停止という、なかなかの人物で...