セイル交換画像

 ポリネシア航海協会の公式ブログ英語版、画像コーナーに1枚新しい画像が付け加わってます。ホクレアがセイルを交換している画像という説明がありますね。どういうことなんでしょうね。ここからもうクラブクロウ・セイルに換装しちゃうんですかね。

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 まあそれはともかく、この画像はなかなか面白いですよ。特に後ろのマストが面白い。おわかりのように、この状態だと前のマストよりも明らかに後ろのマストの方が低いですね。これはどういうことでしょうか。

 実はホクレアの帆は、マストに直接取り付けられているのでは無いんです。ガフとブームという2本の桁材の間に張られた帆が、マストに装着されるという形式なんですよ。何故こうなったかというとですね。もともとホクレアがクラブクロウ・セイルの装備を前提として設計されていたことが全ての発端でした。

 ホクレアがこれまでに装備した帆形は大きく分けて3種類です。最初期のクラブクロウ・セイル、80年代以降のクラブクロウ・セイル、そしてラテン・セイル。このうち最初期のクラブクロウ・セイルは、最近ホクレアが装備していたものとは違って、セイル下端のラインがきついカーブを描いていたんです。最近のやつはほぼ直線ですよね。公式ブログの上の方にある画像を見ればわかると思いますが。

 それでですね。最初期のクラブクロウ・セイルの場合、帆を完全に畳んでしまいたくても、セイル下端のラインを構成している桁材(ブーム)そのものが曲線なので、畳みようが無かったんですね。そのままだと。マストごと外すわけにもいかない。厳重にロープ類を張り巡らして固定してあるものですから。

 そこで、帆全体をアタッチメントの構造にして、完全に帆を畳みたい時はガフごとマストから外してしまえる構造にした。ホクレアの設計は、基本デザインをハーブ・カネ画伯がやって、それをルディ・チョイとウォーレン・シーマンスというカタマラン・ヨット・ビルダーのチームが設計図面に起こしたのですが、1976年の最初のタヒチ航海の段階でもうマスト+ガフ&ブームという設計になっています。手元にある図面は76年の仕様なので、設計段階でどうだったかは解らないのですが(進水後に推進用パドルを外したり舷縁のデザイン変更をしたりと、結構手直しがありました)・・・・。

 ちなみにこうしたマスト+ガフ&ブームの構造はポリネシア航海協会系の航海カヌーの基本仕様みたいですね。アリンガノ・マイスもそうだし、テ・アウレレもそう。

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