『アラトリステ』誤植訂正のお知らせ

 既にインターネット上の各所でご指摘いただいておりますが、先日発売されましたアルトゥーロ・ペレス・レベルテ著『アラトリステ』の中に誤植が見つかりました。可及的速やかに版元のイン・ロック社に連絡し、正誤表を挿入していただけるようお願いしますが、既にお買い上げいただいた方の為、取り急ぎ訂正箇所を以下に示します。ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんが、翻訳者一同、「カピタン・アラトリステ」シリーズの魅力を日本の皆様に堪能していただけるよう、なお一層精進致しますので、どうかご寛恕いただけますよう伏してお願い申し上げます。

訂正箇所

263ページ最終行と264ページ1行目の間には、以下の文章が入ります。

指を一本高く上げ、たった今何かを思い出したかのようにして、伯爵は机の上にある紙の中か

すなわち、この部分の文章は以下のようになります。

「も、もちろんでございます」たどたどしく言った。

 指を一本高く上げ、たった今何かを思い出したかのようにして、伯爵は机の上にある紙の中から書類を一枚取り出すと、国王秘書官に手渡した。

「そなた自身がこの特別手当を処理してくれると、おそらく我々も安心できるのだが。それはドン・アンブロシオ・スピノラ自身が署名しているもので、フランドルでの働きの報酬としてドン・ディエゴ・アラトリステに対し四エスクードを支払うようにというものである。これで、しばらくの間彼は、生活のために剣を振り回す時間を多少なりとも節約できるだろう…。おわかりか」

264ページ最終行の以下の文章は、削除してください。

「もしそんなことをしておれば、今頃そなたは死んでおるわ。もしくは将来そうなるか」

すなわち、この部分の文章は以下のようになります。

「閣下にご説明いただくよう、お願いしてはおりません」

「もしそんなことをしておれば、今頃そなたは死んでおるわ。もしくは将来そうなるか」

 沈黙が訪れた。伯爵は立ち上がって窓の方へと向かった。外は雨が降りそうな雲行きだった。伯爵は手を後ろで組み、中庭の衛兵の移動を見つめていた。逆光の中、その姿はさらにがっしりとして、暗く見えた。

巻末に記された翻訳者名は、以下のように修正してください。

加藤晃正→加藤晃生

※以上の誤植訂正箇所の公表は、以下の諸権利に基づくものです。

(氏名表示権)「著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際 し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする」

(同一性保持権)「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする」

(引用)「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」