ハワイ州観光局がついにホクレアの日本航海に本腰を入れたようです。こちらをご覧ください。
来年1月にハワイ出航で、4月から5月にかけて日本を訪問する予定とあります。そして寄付金付きTシャツを販売するとのこと。
もともと今年予定されていたホクレアの日本航海も、大口スポンサーはハワイ州観光局とハワイ日米協会(日系人コミュニティ)でしたから、この流れは至極当然と言えば当然でしょう。まして現在の日本は空前のハワイ・ブーム。このブームをさらに育てて定着させていく一つの手段として、ホクレアというのはまことに好適なアイテムであるのも確かです。
現在の日本人観光客のハワイ消費のあり方は、ワイキキでショッピングしてゴルフ、が主流でしょう。さらに最近のロハス・ビジネスの展開で、リラクゼーションとかヒーリングというキーワードが育ってきました。ここでさらに、ハワイの先住民文化へも目を向けてもらう。アラモアナ・ショッピングセンターの真ん前のカカアコ地区には、先住ハワイアン文化関係の施設も入る予定ですし(計画そのものはカカアコ地区へのコンドミニアム建設を認めないという法案が先日成立して、今後も紆余曲折が予想されています)。
良いんじゃないでしょうか。ホクレアという、あまりに巨大になった偶像。それで日本まで行くとなったら、この辺が落としどころだと思います。もう昔のように、一部の熱心な後援者だけで動かせる船じゃないですから。ナイノアさんの胸にぶら下がる勲章も、近日中にまた一つ増えるらしいですしね(ハワイ大学マノア校から表彰されたそうです)。日本でホクレアを迎える人々の一番前に立てるのは、私たちのような一般の民草ではなく、それなりの肩書きや名声をもった偉い人になるんでしょう。でも、まあそれもしゃあないわ。それでも来ないよりは来た方が良いと私は思う。
理想は理想、現実は現実です。それに、本当に航海カヌーに直に触れたかったら、荒木汰久治さんみたいに自分で作っちゃうとか、石川直樹さんや林和代さんなどのように、それがある場所まで自分で出かけていくとか、色々とやれることはある。今や航海カヌーはリモート・オセアニア各地に存在しているんですからね。グアム、サイパン、ヤップ、プルワット、サタワル、ビッグ・アイランド、アオテアロア、クック諸島、タヒチ、マーシャル諸島、タウマコ(ここは政情不安なんで素人の手には余りますが)。
ホクレアは光り輝く偶像として、航海カヌーの世界への扉となってくれれば良い。私はそう考えています。だから・・・・応援します。
それにしても、ここに来てにわかに風雲急を告げてまいりましたね。まず来週金曜日にはエディ・アイカウの伝記の邦訳が出て、ハワイ州観光局のホクレア・キャンペーンも始まる。来年にはホクレアが来るだけじゃない。大阪の国立民族学博物館には、アオテアロアの「ワカ・モアナ・エキシビジョン(航海カヌー展)」の巡回が来ることが決まっています。これは決定だそうです。
来年は航海カヌーの年になりますよ。