(ホノルル港に繋留された航海カヌー「ハワイロア」。ウィキメディア・コモンズより)
ここでは、航海カヌー文化の世界に興味をもたれた方の為に、その概略を説明いたします。
■航海カヌーとは
かつてポリネシア、メラネシア、ミクロネシアで遠洋航海の為に用いられていた帆船の一種です。双胴または単胴+浮き付きの腕木という基本構造を持っています。船体は丸木船から進化したモノコック構造です。英語ではVoyaging Canoe、ポリネシア語ではワカ(ヴァカ)・モアナあるいはワカ(ヴァカ)・ホウルアと呼びます。
■航海カヌー文化とは
航海カヌーで遠洋航海をすることは、ミクロネシアやポリネシアの文化の根源的な部分を形作っています。何故ならば、これらの島々の人類の歴史は、遠い昔に航海カヌーに乗ってやってきて住み着いた人々から始まっているからです。またこれらの地域に独特の高度な航法術を身につけた人々は、偉大な航海者として尊敬を集めてきました。
こうした航海の文化は近代に入って一時、消滅の危機に瀕していました。しかし1960年代の終わり頃から各地で始まった航海カヌー文化復興運動によって、ポリネシアやミクロネシアの遠洋航海の伝統は守られ、今に伝えられているのです。
■各地の航海カヌー文化復興運動
現在、太平洋各地では航海カヌー文化を次世代に継承する為の様々なプロジェクトが実施されています。
★アメリカ合衆国ハワイ州
ポリネシア航海協会(航海カヌー「ホクレア」「ハヴァイロア」)
http://pvshawaii.squarespace.com/
ナ・カライ・ワア・モク・オ・ハワイイ(航海カヌー「マカリイ」)
http://www.fofhawaii.org/emau.html
アハ・プナナ・レオ(航海カヌー「ホクアラカイ」)
http://www.ahapunanaleo.org/eng/programs/hokualakai.html
フレンズ・オヴ・ホクレア・アンド・ハヴァイロア
http://fhh-hawaii.org/projects.shtml
ブリガムヤング大学ハワイ校(航海カヌー「イオセパ」)
http://w2.byuh.edu/academics/hwnstudies/iosepa.htm
この他、カウアイ島にて航海カヌー「ナ・マホエ」、マウイ島にて航海カヌー「モオキハ」が建造中。
★アオテアロア(ニュージーランド)
テ・アウレレ・ヴォヤージング(航海カヌー「テ・アウレレ」)
http://www.teaurere.org.nz/homepage.html
テ・アナンガ・オ・アオテアロア(航海カヌー「アオテアロア・ワン」)
http://www.twoa.ac.nz/
★フレンチ・ポリネシア
テ・ペヒ・オ・ハワイキ・ヌイ(航海カヌー「ハワイキヌイ供廖
http://www.hawaikinui.org/default.asp
フレンチ・ポリネシア政府(航海カヌー「タヒチヌイ(旧ハワイキヌイ)※退役」)
★クック諸島
クック諸島政府(航海カヌー「テ・アウ・オ・トンガ」「タキトゥム※退役」)
★ソロモン諸島国
ヴァカ・タウマコ・プロジェクト(航海カヌー「ヴァカ・タウマコ」他2艘)
http://www.aloha.net/~vaka/
★マーシャル諸島共和国
WAMプロジェクト
http://www.wamprogram.org/
★ミクロネシア連邦
ユルピイ・ヴォヤージャー・プロジェクト
http://www.tritonfilms.com/urupiyvoyagerproj.htm
この他、プルワット島の航海カヌー「セイロワン」、ヤップ島の航海カヌー「アリンガノ・マイス」を始め、多数の航海カヌーが現役で使用中。
★グアム準州
トラディショナル・シーファーラーズ・ソサエティ(航海カヌー「クエスト」)
http://www.traditionalseafarers.com/sitemap.html