私は朝8時には起きてポリネシア航海協会ブログ翻訳です。昨日も飲み屋から戻って部屋でせっせとやってましたが・・・・お前ら「肉バナナ」そんなに気に入ったのかよ・・・・・。朝飯を食って宿のロビーでブログをアップしていると拓海広志さん登場。昨日は一人でスナックに行って更に盛り上がったんだそうです。島の漁師さんたちが集まる店で、意気投合して2時まで飲んでいたとか。拓海さん、目が赤いし。
宿の方々は歓迎会場に出店を出すのでその仕込みに大忙し。「瀬戸内荘やまもと」さんの鯛メシ、美味しかったですよ。私は10時過ぎに自転車で宿を出発。良い天気です。海も綺麗です。この海は正直、ワイキキより絶対綺麗。軽くアップダウンのある国道をひたすら西へ。宿からはほぼ16キロ。ロードレーサーならこの手の道の私のアベレージは時速26キロくらいなんで30分強ですが、今日は一眼レフ2台に一脚にその他なんやかやをパニアバッグに積めた重たいクロスバイクですから、会場まで50分くらいかかりましたね。
会場に着いたら11時。まだそれほど人出はありません。やがて運営本部から「ホクレア号は祝島を出ました」というアナウンスが。これが11時30分くらい。運営本部で以前からやりとりがあったE氏にご挨拶し、今日の予定(当日になっても予定が動く船ですから)を確認。なんと御大ナイノア氏はポリネシア航海協会ブログの記述とは異なり、ホクレアには乗らずに陸路で周防大島入りするんだとか。
会場の屋台で「タコカレー」と「鰺クレープ」を買って腹ごしらえし、さらに国道を西へと向かいます。目指すは大島商船高専の桟橋。13時過ぎに桟橋に着くと、高専の生徒さんたちが桟橋で会場設営の真っ最中。練習船「大島丸」がゆっくりと桟橋に接岸するところでした。船の横にはホクレア歓迎の横断幕が。それにしても高専の生徒さんたち、可愛いっすよ。女子生徒も男子生徒も。特に男の子は渋谷辺りを歩いているポン引きみたいな外見の高校生とは別種の生き物ですね。良いです。可愛いです。
桟橋で生徒さんたちの素朴さに萌えていると、大きなバックパックを背負った男女が現れました。この方々もホクレアを見にわざわざ遠くから来られたそうで(実は新婚さんだった)、「ホクレア号航海ブログ」の翻訳してるんですという話をしたら、何故か一緒に写真を撮られてしまいました(この野郎もっと真面目にやれとか言われていきなり海に叩き込まれるんじゃないかと、少し怯えていたのですが)。
大島丸の船長さんが、出迎えの人も大島丸に乗って良いよと言って下さったので、私たちは大島丸に乗り込みます。船首側の一番良い場所を確保してスタンバイ。やがて岬をまわって・・・なにか妙なシルエットの2本マストのヨットが出現します。ついに来ました。瀬戸内海を行くホクレアですよ。隣ではどこかのおばさまが「本当に来たわぁ・・・・」と感極まってます。沖では海上保安庁の船が歓迎の放水を開始してます。先ほどから桟橋の真ん前でサビキ釣りをしている漁師のおじちゃんは・・・・まだ移動しません。
ホクレアを曳航しているのはやはりカマ・ヘレではないですね。もっと細長い船で、ヤンマーの大漁旗を掲げています。カマ・ヘレはホクレアの後ろをうろうろ。ホクレアの周囲にはウインドサーフィンらしきものが幾つも見えます。大島商船高専のカッターも漕ぎ出してお出迎え。ホクレアが桟橋に近づくと、吹奏楽部が演奏を開始します。曲は「宇宙戦艦ヤマト」。何でやねん。さらば~って歌じゃないのさ。でも次の曲はもっと不思議でしたよ。ピンクレディーの「わ~たしピンクのサウスポーっ」ってやつです。凄いセンスです。好きだぜ大島商船高専!!! サビキ釣りのおっちゃんは・・・おっと、またアタリがあったみたいですね。我関せずといった雰囲気があります。脇目もふらずにサビキ釣り。
やがて曳航している船がホクレアを桟橋まで引っ張って来て・・・「浩丸」と書いてありますね。横にいた小学生が一目で「イカ釣りの船や」と喝破します。さすが海の子だ。さていよいよホクレアの接岸です。さすがにサビキ釣りのおっちゃんも(少しだけ)場所をゆずってくれました。どう見ても今この瞬間、半径500メートル以内で一番身分が高い人はこのおっちゃんです。
バキっ。バリバリっ!!!
破壊音が響き、一瞬桟橋が静まりかえります。どうやら船体の外側、クロスビームの端の上に括り付けてある足場の先が割れたみたいです。ホクレアの船体からあの音がしたのではないですね。いやあ、びっくり。サービス満点ですよホクレアさま。
ちなみに入港の瞬間の動画はこちら。最後にホクレアが一瞬、後ろに戻りますよね。あれが衝撃の瞬間。
気を取り直して大島丸の反対側に接岸するホクレア。最後はステアリング・スウィープを使って船を寄せるんですね。スラスターなんて当然付いてないですからねえ。カマ・ヘレは沖で待機しています。ヒロシはホクレアを置いてどこかに行ってしまいました。「ヒロシです。せっかくホクレアを引っ張る晴れ舞台だったのに、ホクレアに傷をつけてしまいました・・・ヒロシです・・・・もう帰ります・・・・ヒロシです・・・。」(というネタをやってくれたのではなく、ホクレアを椋野漁港に回航する為に一旦沖に出て、ホクレアの後ろに回り込んで接岸したのです)。
ホクレアの船上には逞しい肉体美と小麦色の肌がまぶしい、精悍なクルーたち。「やっぱ格好いいなあ。」といううなり声がそこここから上がります。いやあ、格好いいですよ。いなせな若い衆ですよ。捻り鉢巻きに半被なんか着せたら似合うでしょうねえみんな。ハンプティ・ダンプティみたいなおっちゃんもおられますね。あれはどう見てもキャプテン・チャド・パイションですね。子供たちから声が上がります。「日本人も乗っとる。」「日本人は男の人1人と女の人2人が乗っているはずだよ。」「おお、すげえ、女の人も乗っとるらしいぞ。」
たしかに黒いTシャツを着たあれは内野加奈子さんですね。荒木さんはどこだろう?
クルーはホクレアの上で「ホクレア・アイハア」を披露してから桟橋に上陸。拍手で迎えられます。先頭でクルーを迎えたのは幼稚園の子供たち。うひゃ~、可愛いぞ。子供は良いなあ・・・・。この頃までには桟橋も大島丸も鈴なりの群衆です。大島丸なんかホクレア側に傾いて浮いてましたから。拓海さんも桟橋に現れてしげしげとホクレアを観察。「やっぱ木造船のが俺は萌えるんだよなあ。」とかブツブツ言っていますが、顔は嬉しそうです。
歓迎式典では大島商船高専の生徒による吹奏楽「我は海の子」、和太鼓、学ランを着て赤いハチマキを締めた応援団によるホクレア応援などが披露され、ホクレアのイラストと「絆」という漢字がレーザーで彫り込まれた木製プレートが贈呈されました。日本側の歓迎スピーチでは故カパフレフア船長にも言及していたようです。やがて式典は終了。私はクルーを捕まえて、とある親書を手渡します。「タイガー・エスペレ氏に関する・・・」と内容を説明すると、クルーのみなさんはすぐに「おお、タイガーの・・・」と解ってくださいました。タイガーさんってやはり尊敬されてるんですね・・・・。
さて、ホクレアは椋野漁港へと回航されるはずですが、私は一足先に自転車に乗って移動です。大島大橋(本州島と周防大島を繋ぐ巨大橋。この橋の下の瀬戸は潮流が早く、難所になっている)周辺からカメラでホクレアを狙うのです。どこから撮るのがベストなのか。下見が必要です。
(続く)
※写真は大量に撮っているんですが、カメラとPCを繋ぐUSBケーブルを間違えて持ってきてしまったので、画像はいずれ。