今朝はナイノア会長のレクチャー動画が3本、Youtubeに公開されました。あまりクリアな音質ではないので、あまり会長の喋りのヒアリングが得意ではない私は、わざわざゼンハイザーのヘッドホン(諭吉さん1枚強の)を出してきたのですが。
この動画は、パルミラ環礁航海の目的について。まず会長は、パルミラ環礁周辺で古代ポリネシア人が到達していた可能性があるのはクリスマス島だけだと指摘し、それなら何故、今回ホクレアはパルミラ環礁を目指すと思うかと質問しています。
そこで問題となるのが、パルミラ環礁を目標とした航法の難しさです。タヒチやハワイのように大きな島、しかも幾つもの島々が連なっているところを目指す場合には、航法を2段階に分けて、まずは大まかな航法でタヒチ諸島やハワイ諸島を探し、まずはどこかの島を見つけてから、最終目的地を目指せば良い。しかしパルミラ環礁のような小さな珊瑚礁島に行くとなると、この手は使えないんだと解説しています。
とはいえ、ちなみにモダン・ハワイアン・ウェイファインディングでは近年、航海カヌーの航路を「cohn」と彼らが呼ぶ錐面で把握していますが、このcohnの中にパルミラ環礁を捉えて航行していけば、パルミラ環礁周辺までは何とか行けるであろうと。ですが、ポリネシア航海協会のカヌーがパルミラ環礁に行くのは今回が初めてで、協会にはパルミラ環礁周辺の鳥類についての詳しい知識が無い。だから、鳥を使って島を見つける例の方法もどこまで使えるかはわからない。おそらくマヌ・オ・ク(シロアジサシ)はパルミラ環礁にも居るだろうが、マヌ・オ・クを見つけられれば航法は成功する。ただし、マヌ・オ・クがどれだけ居るかはわからないんだと言っています。
加えて、タヒチやハワイのような火山島でもないから、島で一番高いものは椰子の木で、もしも夜間だったらパルミラ環礁は見つけられないだろうと断言していますね。他の島を見つけるのの5倍は難しい航法になる。だから君たちがパルミラ環礁を見つけられなかったとしても、私は航海を失敗とは見なさないと。
そうそう、今朝ハワイから届いたメールによると、「今日あたりホクレアは出られるんじゃないかな~」だそうです。