いつもハワイのニューズを配信しておられる「ハワイアンなニュースをどうぞ」というウェブログで「タロイモの遺伝子組み換え」という記事が出ましたね。
面白いのはハワイ大の研究者が「正しい遺伝子組み換えには賛成だが特許権がかかるのは反対」という、これは狙って言っているブラックジョークなんでしょうか? 原文見ればある程度ニュアンスがわかるんですが、訳文で見るともう絶妙のボケにしか思えないコメントを出している点。
ご存じのようにタロは航海カヌーと同じく、先住ハワイアンというかポリネシアの文化の象徴です。
例えばですよ。アメリカの研究者が「どうだ、このイネは我々が作り出した遺伝子組み換え品種で、コシヒカリやひとめぼれより作るのは簡単、収量も多い。特許料を払ってもまだ儲けは大きいぞ。」と日本の農家に売り込んできたらどうか。
塩を撒かれて叩き出されるんじゃないでしょうか。
なんだかんだ言ってもお米は日本列島の文化の重要な一部です。米食って私達の先祖(の多く)は命を繋いできたんだから。それと同じでしょう。しかもタロはそういう「苦労最小・儲け最大」を尊ぶアングロ・サクソン文化に対峙するものとして注目されている先住ハワイアン文化の象徴です。遺伝子組み換えタロは明らかにコンセプトが滑っています。プロテインを麦茶で溶くような、そんな感じ。耕耘機に可変バルタイ&リフト機構付きのツインターボエンジンを載せるような。
かつてフランス人が鴨川にフランス風の橋をかけてやるから感謝しろと京都市に押し込んで来て追い返された一件を思い出しますね。そういう問題じゃないんだよって事が解っていない。
「ポイで面洗って出直して来いや!」
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画像はビッグアイランドの北にあるワイピオ谷。その奥の方にあるタロ畑です。ガイドのおじさんが「俺のタロ畑だ。」とわざわざ自慢する為に連れて行ってくれました。