社会学者・翻訳家の加藤晃生が6年間の育児の経験をもとに開発した、世界で最も優れたメンズ育児バッグ(ファザーズバッグ)です。
このバッグは、おむつ、お尻拭きパック、取っ手付きベビーマグなど、毎日の育児に必要な持ち物を機能的に収納し、なおかつミラーレスデジタル一眼カメラや A4サイズのクリアフォルダなど、育児の中で時折必要になる様々な物についても、ストレス無く収納し出し入れ出来るよう設計されています。
外装はInvista社のCorduraファブリックを、バッグの開閉部にはYKKの止水ジッパー「Aquaguard」を使用しており、高い耐久性と耐雨性を備えています。また最も緊急性の高い瞬間である「おむつ交換」時には、バッグを見なくても片手でおむつ及びお尻拭きパックを出し入れ出来るよう、マグネット開閉による専用ポケットが設けられています。
専用設計のショルダーストラップは柔らかいナイロン素材を使用し、重くなりがちな育児バッグをストレス無く持ち運べるようになっています。金具の位置も入念に検討を重ね、子供を抱いた際に絶対に子供の体に当たらない位置に配置しました。
2歳頃まではベビーカーを使用することも多いかと思いますが、agnateの両サイドにはベビーカーフックを収納出来るポケットが配置されています。ベ ビーカーフックが不要な方は、ベビーカーフックを外せば、スマートフォンやパスケース入れとしてこのポケットをお使いいただけます。
ゼロベースでデザインされた、育児のためのバッグ。
世の中にあるほぼ全てのバッグは、既存のバッグの形式(ショルダーとかトートとかバックパックとか3ウェイといった)を最初に選び、そこにポケットをどう付けるかという発想でデザインされています。
しかしagnateは違います。
父親が本気の育児をするとはいかなることなのか、自身の体験を言語化し、そこで必要となる機能をリストアップし、それらの機能を最も良く満たせる形を考えるという手順でagnateはデザインされています。ですから、agnateは一見異様なくらいに横長なシルエットですし、両サイドのポケットの大きく斜めに切り欠かれた開口部も、前例がありません。主気室開口部の閉め方も、最初はジッパー+マグネットグリップだったのが、何度も何度も新しい設計を考えて考えて、ついに今のような「止水ジッパー+隠しマグネット+ショートグリップ」の構造に辿り着きました。どれも前例が無い設計でしたから、とにかく試作して使ってみて、結果をフィードバックして改良してというように、何も無い荒野を切り払って道を作りながら進んでいきました。1年以上に及ぶ開発期間も、それ故のものです。
つまりagnateは、原点(オリジン)からゼロベースで出発して一つずつ積み上げてきた、言葉通りの意味での「オリジナル」なファザーズバッグなのです。
使い捨てではない。
お値段は安価な競合商品の倍あるいはそれ以上ですが、クオリティは倍どころではない差があります。
3年間、週5日間使っても機能を維持出来る耐久性を目標に仕様を決定していますし、弊社の想定を越えた過酷な条件の使用によって破損した場合も、提携工房(試作品を作っていただいた職人さんのところです)にて修理可能です。また、試用する金具、ABS樹脂部材、取り付け方法、マグネットの強度まで吟味に吟味を重ね、何百時間ものフィールド試験によって使用感と操作性を追い込んであります。
ちなみに第2号試作品(量産仕様よりも薄い内装で耐久性に劣るものです)は2014年4月にフィールド試験を開始して以降、2015年9月現在に至るまで1年半の間、毎日のように加藤自身が使用し、旅行にも使い続けておりますが、いまなお生地の破れもホツレも縫製の解けも発生しておりません。
検品は工場検品、日本国内でのX線検針、納品時検品の3ステップで、1個1個に通しシリアル番号付きのサイン入り保証書(3年保証)が付きます。保証範囲外の破損や保証期間を過ぎた後の補修も全て対応致します。
弊社独自の設計思想・「層化収納配置構造(Stratified Storage Structure)」。
agnate2014をデザインするに当たり、私はデザインの方法論そのものを考案するところから始めました。何故ならば、既存のバッグの設計を見れば見るほど、そこには理性の働きが欠落していると思えてしょうがなかったからです。分かりやすく言えば、感性だけで作っている。考えるよりは感じている。
ファッションアイテムならば、感じたままに作るのも良いでしょう。
しかしagnateは育児の道具です。これを使う人は、その瞬間、小さな命を預かっているのです。ならば考えに考え抜き、育児者の体の一部となるくらいにストレスフリーな設計でなければならない。その為には、道具立てまで遡る必要があると私は思いました。大工さんがノミや鉋を研ぎ上げ、料理人が包丁を手入れするように、バッグデザイナーとしての私はまず、デザインの道具そのものを磨き上げなければいけない。
そこで私が使ったのは、それまで私が大学で学生たちに教えていた社会学の基本的な方法論の一つ、社会調査法でした。まずバッグを構成する収納空間群の構造を、量的調査法における層化抽出法(Stratified Sampling)の構造をヒントに、相互排他的かつ層状に配置されたものと想定します。次に、質的調査法における参与観察法(Participant Observation)と半構造化面接法(Semi-Structured Interview)を用いて、バッグの使い手にとっての持ち物の属性を抽出し、カテゴリー化します。こうして抽出されたカテゴリー群を層状に配置した上で、それらのカテゴリーごとに収納空間を設定し、最もスムーズにアクセス出来るような形で3次元空間内に配置していきます。
結果として、とにかくポケットが沢山あれば便利だよねというレベルのバッグ設計とは全く異なるレベルの設計による、極めて機能的なファザーズバッグが誕生したのです。
最善と信じるものを生産する。
このファザーズバッグは加藤晃生という個人が、コンセプト作りから構造設計、部材・素材選定、配色、生産計画、価格まで全てを決定し、事業費用も全て個人で負担して行っているものです。しかもTRICKS事業が売れる商品は最初はagnateだけ。
agnateがコケたら次はありません。背水の陣です。
ですから、全ての面で妥協無しです。会社の事情で曲げなければいけなかったあれやこれというものが一切ありません。デザイナーが良いと思ったものを役員が台無しにしたとか、あちこちから口出しが入って商品コンセプトがボケて、でも誰も責任を取らない無責任体制だとか、そういう作り方を一切していません。1個100万円で売って良いなら何でもやれるけどねーなんて言い訳は要りません。本当にそれが機能改善に必要なのであれば、高価な部材も複雑な工程も迷わず採用します。あるいは同等の機能性を実現する方法を徹底的に考えます。
言い訳は要らない。妥協はしない。そんなものを売るくらいならやる意味が無い。
自信を持って宣言します。このファザーズバッグこそ世界最高です。