コバルト文庫

小説

スリップストリーム文学短編戦線の絶望的戦況

一昨日は「阿波しらさぎ文学賞」の結果発表だったんだけど(注:私は不参加。その理由を説明するエントリである)、一次通過者とか最終審査まで上がった人とか、それなりに知り合いがいるのですよ。公募で上位に来る人ってある種の「常連」化するので、2年も...
小説

金蓮花『蝶々姫綺譚』と朝鮮ファンタジーとポストコロニアル文学

金蓮花『蝶々姫綺譚』(コバルト文庫1995)入手。作者は在日朝鮮人3世でこのシリーズは朝鮮ファンタジーという、少女小説でも珍しいもの。 ちなみにこれが彼女のデビュー作ですが、文章はめちゃくちゃ上手い!! です。90年代後半のコバルト文庫を代...
小説

ファンタジー小説におけるフェミニズムの系譜についての覚書

修士課程にいた頃に読んだ小谷真理『ファンタジーの冒険』(ちくま新書、1998)を久しぶりに読み返してみた。 小谷によると現代に通じるファンタジー(近代以前の妖精譚や怪談ではなく、小説家の書いた作品としてのファンタジー)の萌芽は19世紀なかば...