1992年にアイツタキ島が建造した航海カヌー「ンガプアリキNgapuariki」。さいとうなんぺいさんの『太平洋の浮島ラロトンガ紀行』に大きな写真がいくつか掲載されています。ホクレアなんかに較べるとちょっと小さめですが、なかなか雰囲気のある船です。
『太平洋の浮島ラロトンガ紀行』は1992(たしか)年の太平洋芸術祭Pacific Arts Festival取材機です。太平洋芸術祭は航海カヌー文化復興運動の重要な推進力となったイベントで、1992年のラロトンガ(つまりこの本が取材した回)にアオテアロアの「テ・アウレレ」がラロトンガを訪問する事になった一件から、ラロトンガの「タキツム」が建造され、更には1996年のマルケサス・ハワイ間集団航海へと話が展開したという、大変に重要な節目ともなったイベントです。航海カヌーに関する記述はありませんが、太平洋芸術祭に関する第一級の資料としてお奨めです。