ファンタジー小説

小説

山之口洋『オルガニスト』書評。SFです。

山之口洋『オルガニスト』読了。第10回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。導入部分ものすごく文章上手くて凄いなあと思うんだけど、ドイツ人の大学教員が同僚に送信したメールの書き方が内資大企業の拝承感に溢れていて、ちょっと笑いました。山之口は拝承...
小説

倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』と富士見ロマン文庫と日本のオタク文化における「メイド」要素の始まりと

星海社公式ツイッターの告知で紙本は完売間近とあったので、取り急ぎ倉田悠子『黒猫館・続 黒猫館』を購入。これはリアタイで読んだかどうかはっきりしない。真っ先にチェックしたのは同時収録の稲葉真弓「私が覆面作家だった頃」。それによると稲葉に「くり...
小説

スリップストリーム文学短編戦線の絶望的戦況

一昨日は「阿波しらさぎ文学賞」の結果発表だったんだけど(注:私は不参加。その理由を説明するエントリである)、一次通過者とか最終審査まで上がった人とか、それなりに知り合いがいるのですよ。公募で上位に来る人ってある種の「常連」化するので、2年も...
書評・読書記録

書評:カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』 / 正統派ファンタジー小説がいかにしてノーベル文学賞を射止めたか。

カズオ・イシグロ『忘れられた巨人』読了。竜も剣も円卓の騎士も魔法もきちんとした役割と必然性を与えられて投入されている正統派アーサリアン・ファンタジーだけど、戦争や民族対立と諸々の残虐行為の記憶とどう向き合うべきかという難しい問いを見事に物語...
小説

金蓮花『蝶々姫綺譚』と朝鮮ファンタジーとポストコロニアル文学

金蓮花『蝶々姫綺譚』(コバルト文庫1995)入手。作者は在日朝鮮人3世でこのシリーズは朝鮮ファンタジーという、少女小説でも珍しいもの。ちなみにこれが彼女のデビュー作ですが、文章はめちゃくちゃ上手い!! です。90年代後半のコバルト文庫を代表...
コミュニケーション

吉美駿一郎「盗まれた碑文」と古代マヤの「紙」を巡る格調高い心の交流覚書

昨日はなかなかツラい一日でした(涙)ことの発端は私がエブリスタでフォローさせていただいている数少ない、そして心より尊敬申し上げる作家さんの一人、吉美駿一郎さんが「ブンゲイファイトクラブ2の予選を通過しました。よかったら読んでください。「盗ま...
インターネット文化

印税収入が無くても書き続けられる人々が、次の時代の主役になるのではないかという予想

2018年の書籍の売り上げランキングを見ていたんだが、小説部門だと10位が田中芳樹の(あのどうしようもない駄作となった)アルスラーン戦記最終巻で、推定売上部数は109,161。ビジネス書だと10位が(聞いたこともない)『 サラリーマンは30...
エディ・アイカウ

図書館ファンタジー小説への疑問あるいは異議

小説のサブジャンルとして図書館ものというジャンルがある、という主張には同意していただけるかと思います。『図書館戦争』というのは未読ですが、『図書館の魔女』は途中までは読みました。外国の有名どころなら何と言っても『薔薇の名前』。中島敦にも『文...