企画展「現代アートとしての水墨画:CHiNPAN・花塚美早・山崎晴太郎 三人展」

山崎晴太郎「具象の輪郭」シリーズ(2018年)

 稲城市向陽台のギャラリーWITH372では、2026年6月12日から2026年7月3日まで、現代アートとしての水墨画制作に取り組む三人のアーティストの作品を集めた企画展を実施します。

 水墨画は中国で唐の時代に生まれた、墨の濃淡を用いて絵を描く技法です。一見すると具象画であり、時には極めて写実的にも描かれますが、その基本的なアプローチは現実世界にあるものを紙の上に写し取るのではなく、絵によって様々な思想を表現するというものです。特に中国では道教の自然観の影響を強く受けていますし、また日本でも中国でも禅宗の思想と深く結びついていました。

安堅「夢遊桃源図」(1447年)

長谷川等伯「松林図屏風」(1593-1595年)

 写実のように見えて実際には何らかの思想の表現であるという点で、水墨画は西洋絵画におけるヴァニタス画や後期印象派以降の作品と同じ構造を持っているとも言えます。もちろん現代アートとの相似については言うまでもないでしょう。しかしながら水墨画は現代アートのメディアとしてはまだ油絵やアクリル絵画ほど認知されていないのも事実です。

 この企画展では水墨画を出発点として現代アートの制作に取り組む三人のアーティスト、CHiNPAN、花塚美早、山崎晴太郎の作品を集め、現代アートとしての水墨画の可能性をご覧いただきます。

 会期中には出展アーティストによる水墨画ワークショップも予定しております。是非、ご参加ください。

会期

2026年6月12日から2026年7月3日

開廊時間 

9:30-17:30 (日祝日休み) 入場無料

参加アーティスト

CHiNPAN 花塚美早 山崎晴太郎

CHiNPAN

現代水墨画家。小学生の頃に美術教師の勧めで水墨画を描き始め、1996年より本格的に琳派水墨画を修習する。2008年に国立新美術館で開催されたコンテストに入選したことをきっかけに、水墨画家としてのキャリアをスタート。「再生と破壊」を創作テーマに掲げ、古典的な手法からオリジナルの手法まで、さまざまな方法で水墨画を潤筆。立体物製作や空間装飾、ボディペイントなども手がけ、水墨画の可能性を拡張し続けている。

花塚美早

1982年岐阜生まれ。2005年東京学芸大学日本画専攻卒業。水墨画家・土屋秋恆に師事。 伝統技法を基軸に、ヨガ指導者として獲得した身体知を取り入れた現代アートとしての水墨画に取り組む。 身体を記憶の集積体ととらえ、全身の連動から一筆を弾き出す。その筆跡は意志をもって走らせた線でありながら、墨の流れとともに個の輪郭を超えて、空(くう)、即ち可能性そのものを描く試みとなる。

山崎晴太郎

1982年、横浜市生まれ。立教大学社会学部卒業。京都造形芸術大学修士課程修了。日本の伝統的な美意識の一つ「余白」をテーマとしてインスタレーション、ビデオアート、ミクストメディア、スカルプチャー、写真などさまざまなメディアを用いた現代アート作品を精力的に発表。これまでに東京、アムステルダム、ベルリン、上海、カリフォルニア州ローズヴィルにて個展を開催している他、ニューヨーク、ロンドン、ヴェネチア、ソウル、ワシントンDCなどでグループ展にも参加。2025年には福島県広野町で「余白のアートフェア福島広野」を立ち上げた他、キプロスのラルナカで開催された第5回ラルナカ・ビエンナーレにも招待された。